【上栗崇】ANAホールディングス(HD)が来年4月、東京・汐留のグループ本社フロアを半分に削ることが17日わかった。羽田空港の旧本社ビルからは退去し、全国の支店でも面積を縮小。2013~15年度に賃料を100億円削減し、破綻(はたん)処理で身軽になった日本航空との利益の差を縮める。

 本社と羽田はともに賃貸ビルだ。本社は現在の8フロアを4フロアにし、社員は6割に減らす。2フロアを使う旅行部門を賃料の安いビルに移すほか、社員の机の幅を20~40センチメートル縮めるなどして1フロアあたりの社員を2割増やす。羽田にあるシステム部門は、東京都大田区と川崎市の自社ビルに移す。支店は今年度から順次縮小している。

 昨年来の景気回復で、東京都心のビル賃料は上昇基調が続いている。取引先との関係などで都心に置かざるを得ない部門以外は郊外の自社ビルに移すことで、今後の家賃上昇に先手を打つ狙いもある。