2台のゴルフ、徹底テスト、徹底評価!【スタティック評価】 |
(上)GOLF VI
ゴルフTSIコンフォートライン(2009年式)全長×全幅×全高=4210×1790×1485mm ホイールベース2575mm 車両重量=1290kg エンジン=1.4リッター直4直噴DOHCインタークーラー付きターボ、最高出力122ps/5000rpm、最大トルク20.4kgm/1500-4000rpm トランスミッション=7段DSG 最小回転半径=5m 燃料タンク容量=55リッター 10.15モード燃費=16.8km/リッター タイヤ+ホイール=205/55R16+アルミ 車両本体価格=275万円 (下)GOLF V ゴルフTSIトレンドライン(2008年式)全長×全幅×全高=4205×1760×1520mm ホイールベース2575mm 車両重量=1310kg エンジン=1.4リッター直4直噴DOHCインタークーラー付きターボ、最高出力122ps/5000rpm、最大トルク20.4kgm/1500-4000rpm トランスミッション=7段DSG 最小回転半径=5m 燃料タンク容量=55リッター 10.15モード燃費=15.4km/リッター タイヤ+ホイール=195/65R15+スチール 車両本体価格=253万円(現在は販売終了) パッケージングは不変、細部の改良進む。 6代目ゴルフ。室内空間づくりの考え方やドライビング・ポジション、 前後席の居住性、荷室容量、視界、ナビの操作性など“走り以外の基本性能”はいかに? 文=数藤健(本誌) 写真=柏田芳敬 VI型とV型、新旧ゴルフの真横の写真を、じっくり見比べていただきたい。前後バンパーの形状やボンネットの高さが微妙に異なるものの、キャビン部分は見事にピタリと重なる。ホイールベース、ABCピラーの角度、ルーフラインはまったく同じだ。前後ドアは、モールの有無やドアハンドルの形状が異なるものの、ドアそれ自体の基本的なカタチはそっくり同じであることがわかる。 ゴルフVI=新型がV型のプラットフォームを受け継いでいることはVW自身が公表しているけれど、VI型の外観に関して言うと、事実上V型の前後のデザインに手を加えただけなのだ。よっていわゆる“パッケージング”はまったく変わっていない。 実際にVI型とV型を並べ、交互に運転席、後席を乗り較べてみよう。 まず新型のドアを開け運転席に座る。高めの位置にある堅めの座面にアップライトに座らせる、ゴルフ伝統のドライビング・ポジションである。シート・リフターで、座面を最も低い位置にセット。身長174cmの私が背筋をピンと伸ばして座っても、頭上にはコブシ1.5個分の余裕がある。Aピラーが比較的立っていてフロント・スクリーンも広いため、視界がいい。着座位置が高めなため、クルマの四隅がつかみやすい。Cピラーはなるほど幅広いが、斜め後方に死角を生み出すことはない。 次に、自分で調整した運転席の後ろに座ってみる。膝の前にはコブシ2.5個分、頭上にはコブシ1個分の空間がある。レッグルームが広く、足のつま先も前席の下にすっぽり入るから、後席の居心地は上々だ。 V型のドアを開けて、運転席に座ってみよう。なんと……、インストゥルメント・パネルの造形やステアリング・ホイールの形状こそ違え、ドライビング・ポジション、着座位置、視界はまったく同じ。頭上空間も同じだ。後席に座ってみてもまたしかりである。 なお、荷室の容量は、V型、VI型とも標準状態で350リッター。分割可倒式のリアのバックレストを両方倒すと、最大1305リッターになる。
(左)ゴルフVI、TSIハイラインのインパネ。最高出力160psのツインチャージャー(ターボ+スーパーチャージャー)・エンジンを積むハイラインは、ステアリングにシフト・パドルが付くほか、マルチファンクション・ステアリング、クルーズコントロール、パークディスタンスコントロール、タイヤ空気圧警告灯などを標準装備する。TSIハイラインのトランスミッションも7段DSG。
(右)ゴルフV、TSIトレンドラインのインパネ。ベーシック・グレードだけに装備は簡素で、ステアリングはウレタンむき出し。エアコンは左右独立温度調整機能を持たない。シートも左右サポートの張り出しが控えめなシンプルな形状のものが付く。ゴルフVIにもいずれ、これに準じた仕様の“トレンドライン”が出るだろう。 (左)ゴルフVI用のナビ&AVシステム“RNS510”はドイツのシーメンス社製。大型のプッシュボタンとつまみによる操作性の良さ、センターコンソールへのフィット感の良さはメーカーオプション品ならでは。地図ソフトはゼンリン製で、日本で約4年間走行テストを重ねた。液晶画面には、エアコンの設定温度や風の吹き出し具合、オンボード・コンピューターの情報なども表示される。
(右)ゴルフVのTSIトレンドラインには、オプションのクラリオン製HDDナビシステム(7700HDC)が付いていた。機能面に大きな不満はないが、液晶画面の周辺に配されたプラスティック製のプッシュボタン類が小さいため、操作性はいまひとつ。とくに走行中のブラインドタッチは難しい。 (左)荷室への張り出しの小さいマルチリンク・サスを採用したゴルフV、VIの荷室容量は、標準状態(写真)で350リッター。ちなみにトレーリングアーム型リア・サスのIV型の荷室は330リッター〜最大1184リッターだった。
(右)バックレストは分割可倒式。両方倒すと荷室容量は最大1305リッターと小型ステーション・ワゴン並みの積載能力を誇るが、シングル・フォールディング式のためフル・フラットにはならない。 左がゴルフVIのTSIコンフォートライン、右がTSIハイラインのシート。運転席と助手席には、衝突時にしっかり頭部を支えて頸部への衝撃を緩和するむち打ち低減ヘッドレストを採用。ハイライン用のスポーツシートの表皮は、ブラックのアルカンタラとファブリックの組み合わせが標準。右写真2枚は、オプション(27万3000円)のレザー仕様で、カラーは写真の“トリュフ”のほか“チタニウムブラック”、“コーンシルクベージュ”の3色から選べる。レザーシートには運転席8ウェイ電動調整機構、ヒーター、助手席シートアンダートレイが付属する。
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