県職員が声優副業22年 懲戒処分を検討 [福岡県]
福岡県の公用車の運転手をしている男性職員(52)が副業の許可を受けず、1991年から約22年間、声優としてテレビCMなどのナレーションを務め、報酬を得ていたことが17日、県への取材で分かった。地方公務員法は職員が許可なく報酬を得て事業を行うことを禁じており、県は男性の懲戒処分を検討している。男性は「副業はいけないと分かっていたが、辞めるのに未練があった」と話しているという。
県によると、男性は1991年に県職員に採用される以前から声優として活動していた。7、8年前からは福岡市のタレント事務所に所属し、パチンコ店のテレビCMや企業のPRビデオなどに声優として出演していた。報酬は1回1万5千~2万円で、本年度は月に7、8回出演。夕方に勤務を終えた後、夜にスタジオに通い、ナレーションを収録していたという。
県は16日に「職員がタレント活動をしている」との情報を受け、男性から事情を聴取。男性は「昔から声優に憧れていた。許可申請を出しても認められないと思った」と述べたという。
所属事務所によると、男性はタレント名で活動し、ホームページの所属タレント一覧に顔写真は掲載せず、「声のみで勝負致します」とのコメントを寄せていた。所属事務所の社長は「建築関係の仕事をしていると聞いていた。公務員とは思わなかった」と説明した。
=2013/12/17付 西日本新聞夕刊=