長時間に及ぶ労働に精神的・肉体的にも疲れ切って命を絶つ、「過労自殺」が若い人にも増えているといいます。 自殺ではなく、心疾患などで突然死するのが「過労死」なんですが、その「過労死」は2008年のリーマンショックに比べますと、ここ数年は少し減ってきているのに対して、「過労自殺」は60件台でここ数年は推移していましたが、去年は93件と急増しました。 こうした中、「家族が『過労自殺』したのは、会社が長時間労働を放置したからだ」として遺族が17日、JR西日本の社長らに対し1億9,000万円の損害賠償を求める訴えを起こしました。 訴えを起こしたのは、2009年4月にJR西日本に入社し、大阪保安システム工事所に勤務していた男性(当時28歳)の両親と妻です。 訴えによりますと、男性は阪和線日根野駅の保安業務を担当していた去年10月、勤務先近くのマンションから飛び降りて亡くなりました。 死亡する前の10か月間、残業は最高で月254時間、平均147時間にも達していて今年8月、労災認定されています。 両親らは「健康に配慮する適正な是正措置を怠った」として今年9月、JR西日本を訴えました。 しかしJR側が「不法行為は認め、損害額の交渉に入りたい」とした為、17日、新たに個人責任を明確にしたいと社長ら9人を相手に1億9.000万円の損害賠償を求めて提訴しました。 「なぜ息子が、あんなに長時間労働したのか、させられたのか」(男性の父親) 「周囲があまりにも見て見ぬふり、真実が知りたい、それしかないです」(男性の母親) JR側は社員の労働時間管理に万全を期すとした上で、「訴状が届いていないのでコメントは差し控えさせていただきます」としています。 (12/17 18:46)