核燃サイクル:新規制基準18日施行 250施設対象に
毎日新聞 2013年12月17日 19時16分(最終更新 12月18日 00時30分)
使用済み核燃料再処理工場などの核燃料サイクル施設に対して、安全対策の強化を義務付ける新規制基準が18日施行された。大量の放射性物質を扱う再処理工場などにも原発と同レベルの地震・津波対策を求めるほか、意図的な航空機落下などテロへの備えを、法的に初めて義務付けた。原子力施設の安全対策強化を目指す一連の法制度が出そろった。
新基準施行により、核燃料サイクル施設の稼働に向けた法的環境が整う一方、核燃料サイクルの柱とされる高速増殖原型炉「もんじゅ」は停止したままで、使用済み核燃料からウランやプルトニウムを取り出して再利用するサイクル政策が実現する見通しは立っていない。
新基準の対象は、青森県六ケ所村にある日本原燃の再処理工場のほか、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料加工施設、使用済み核燃料貯蔵施設、試験・研究炉など7種類の約250施設。稼働には、原子力規制委員会の審査に合格する必要がある。
日本原燃は再処理工場の早期完成・稼働を目指すが、抜本的な耐震強化策などを求められれば稼働が大幅に遅れる可能性もある。同社は「地元自治体の事前了解後、遅くとも来年1月までには稼働申請を目指したい」としている。【中西拓司】