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-フィンランドの国民性-歴史-
グレートブリテン島から北欧、モスクワまでの広範囲を覆っていたスカンジナビア氷床が後退したことに続いて、紀元前8000年ごろ、おそらく主に南方や東方から来た人類が現在のフィンランドに到着し始めたとされます。だが、近年の考古学的発見はノルウェー海岸に見られる最も古い物と同等に古いフィンランド北方の北西コムサ文化の存在を明らかにしています。
フィンランドの領域は紀元前5000年までは北西ヨーロッパのクンダ文化に、紀元前4200年ごろから紀元前2000年ごろにかけては櫛目文土器文化に属していた。フィンランド南西海岸のキウカイネン文化は1200年前からみられ、1100年ごろから1200年ごろスウェーデン王権はフィンランドの編入を始めました。しかしながら、ノヴゴロドもまたフィンランドの支配権を得ようとしていました。このためスウェーデンとノヴゴロドの間で幾度も戦争が行われ、この構造は1400年にノヴゴロドがモスクワに、1700年にモスクワがロシアに変わっても続きました。
1721年ニスタット条約が調印されスウェーデンのバルト地方での優勢状態が終わりを迎え、1809年にはフィンランドはロシア帝国に併合されました。1809年から1917年にかけて、フィンランドはロシア皇帝の大公国で、立憲君主制の状態にありました。ロシアとスウェーデンの間で戦闘が繰り返されたカレリアは、双方の文化の影響を受けたにもかかわらず、双方の力の震央から末端であったため、その多くが維持されました。
19世紀はヨーロッパからフィンランドに民族浪漫主義と民族国家主義をもたらしました。フィンランドの民族国家主義もまた成長し、文化的個性とフィンランド人の祖地を領有することは優先すべきものとなっていった。大学講師アドルフ・イヴァール・アルヴィドソンによるフィンランドの独自性の表現である「我々はスウェーデン人ではなく、ロシア人になりたくもない。我々はフィンランド人になりたいのだ」という言葉はフィンランド人運動家の信条としてしばしば引用されるようになった。民族国家主義が高められた結果、ロシアからの独立を模索するようになったフィンランドは1917年12月6日、ロシアからの独立宣言を行い、これがフィンランド独立の日となりました。しかしながら民族国家主義者もスウェーデン話者が異なった国の一員とは考えず、スウェーデン話者の家系から多くのフィンランド人運動家が生まれています。
-民族的特徴-
他の北欧諸国と同じくフィンランドでも、男女同権思想をもっています。生産性の低い土地に住んでいたためか、農業時代から女性も男性と同じくらい働き、発言権を持っていたといわれています。フィンランドで普通選挙が導入されたとき、ヨーロッパ初の女性参政権も当然のように付属していたいたことからもそれが伺えます。今も女性の社会進出は世界最高レベルで、アファーマティヴ・アクション制やクオータ制のようなフェミニズムプログラム無しで達成しています。現在、フィンランドの国会議員は定数の3分の1以上に当たる76人もの女性議員がいます。しかし、一方で兵役は男子のみの義務で女子は志願制になっています。
フィンランド人は「恥ずかしがりや」であり、サウナの様に集団で集まりやすい場を大切にし、顔を合わせずに会話の出来る電話や携帯電話の普及が速かったと言われている。ヨーロッパで「フィンランド人は無口で、話す時は独特の抑揚のない言語で不機嫌そうにしゃべる」というステレオタイプの印象が元になったと考えられます。
-民族-
民族比率は、フィン人が91.7%、スウェーデン人(スウェーデン系フィンランド人)が5.5%、サーミ人が0.1%、ロマ人が0.1%。2010年の統計によると外国人は167 954人(2.7%)と少なく、大部分がロシア人とエストニア人です。そのため、他の北欧諸国に見られるような移民問題は比較的少ない。しかし、近年はアジア・アフリカからの移民数も増加傾向でそのうちソマリア出身者が最も多く帰化者を含めておよそ13,000人います。
-言語-
使用されている言語は、フィンランド語が93.4%、スウェーデン語が5.9%で、この2言語が公用語になっています。公用語は1919年に制定されました。サーミ人は、サーミ語を使用し、1970年代にその地位は大幅に向上しました。その言語は1999年の憲法改正により、準公用語と明記された。同時にロマ人その他の少数民族に対する配慮も加えられている。また、ロシア語を母語とするロシアからのいわゆる帰還者は近年増加しつつある。スウェーデン語は、すでにフィンランドに根を下ろしており、少数派とは言え、企業、産業界で影響力を持ち、政府にも主要政党を持っているため、公用語問題は歴史的な問題であった。これに対しロシア語は1世紀にわたり支配社会の上層部にのみ影響をあたえただけで、国民に浸透することはなかった。これはロシア語を蛮族の言語として認識していた者がいたからと考えられます。
-宗教-
宗教は、フィンランド福音ルター派教会が78%、フィンランド正教会が1.1%、他の宗教(ローマ・カトリック教会、ユダヤ教、イスラム教)と無宗教20%である。フィンランドでは福音ルター派教会とフィンランド正教会の二つが国教として扱われており、政府が国民から直接税の形で集めた教会税によって資金的援助を受けている。近年では国民の信仰心の低下や、政教分離の意見の高まりなどから、教会への支援は世論からの支持を受けなくなる傾向にあり、それにともない「教会税」も毎年、減少傾向にあるようです。
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