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-スウェーデンの住宅政策-
スウェーデンでは住宅政策は社会保障の一つとして位置づけられています。教育や医療、福祉政策などと同様に、すべての人に平等に良質な住宅を与えることは国の責任であると考えられています。スウェーデンでの住宅は性能の高さで知られますが、その歴史を紐解くと国が積極的な住宅政策をとっていたことがわかります。
スウェーデンでは19世紀末~20世紀初頭にかけて急速に人口の増加と急速な都市化が進んだこともあり、人口が集中したエリアでは住宅供給が追いつきませんでした。1930年代頃まで、とくに都市部での住環境は決して良いとはいえず、そのような環境で日々の生活を暮らす人も多かったといいます。貧富の差が表れるのは住宅と考えた政府は戦後、積極的な住宅政策を次々に打ち出していきます。
1946年には、住宅ストックの充実と住まいの基準を上げる住宅法案が通り、1948年には子供のいる低所得世帯や年金生活者への住宅手当が制定されます。1960年代に入ると、10年間で100万戸の住宅建築を掲げた「100万戸プログラム」が決定し、1965年から1975年にかけて建設ラッシュが起こります。1975年には「壁紙リフォーム」とよばれる改革がスタート。これは、公営賃貸住宅では壁紙の張り替えなど簡単なリフォームを認める、というもので、賃貸住宅でも快適に暮らせるよう住み手の権利を強めていくきっかけとなりました。1980年代には住宅改良プログラムが始まり、住環境レベルのさらなる底上げが行われています。