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-父親の育休取得-
現在は高い出生率を維持する北欧諸国でも1960年代後半~1970年代にかけて女性の社会進出が進むと同時に出生率が下がりました。人口の少ない北欧では経済成長のために女性の労働人口を増やすことは重要だと考えました。そこで北欧では世界に先駆けて、女性の出産・育児、職場復帰をサポートするための政策を打ち出しまし、その結果、女性の育児休暇が定着し始め、さらに一歩進んで男性の育児休暇の定着もし始めてきました。
北欧では育児休暇が充実していて、例えばスウェーデンでは出産予定日の2ヶ月前から子供が8歳になるまで合計480日間の育児休暇が認められ、最初の390日は給与の80%が支給されます(残りの90日は一日180スウェーデンクローネ-約2700円を支給)。ノルウェーでは給与100%で49週間、もしくは給与80%で59週間の育児休暇のどちらかを選べます。育児休暇制度は結婚していないカップルや養子、シングルマザーにも区別なく適用されます。また育児休暇はまとめて取る必要はなく、月や週単位はもちろんのこと、一日ずつまたは時間単位で取ることも可能です。
そしてスウェーデンでは1974年に両親保険とよばれる育児休暇制度がスタート。それまでの女性のための出産・育児休暇を、父親と母親がともにわけあって交代で育児休暇を取得できるようにした世界で初めての制度です。現在、スウェーデンでは合計480日間の育児休暇のうち60日間は父親と母親それぞれが取得することが義務づけられています。さらに父親と母親が等しく育児休暇を取得できた場合にはボーナスが出る制度など、男女平等に育児休暇が取得できるよう支援しています。
北欧で男性の育休取得が広まったのは1993年、児童家庭大臣のグレーテ・ベルゲさんが出産したときの出来事がきっかけです。大臣は12週間の育休を取得します。続いてジャーナリストである夫が8ヶ月の育児休暇を取得。このカップルの決断は働く男性達に大きな影響を与えたようです。この後、育児休暇のうち4週間は父親が取ることを定める「パパ・クォータ」制度がスタート。この期間は母親が代わりに取得することはできず、父親が取らなければ無効になってしまいます。いわば強制的に父親に育休取得をさせる制度ができました。
更に新しい制度、「パパ・クォータ」の導入で育児休暇を取る父親は一気に増え、今では男性の9割以上が育休を利用しています。当初の4週間だった「パパ・クォータ」はたびたび延長され、2013年7月からは14週間になっています。またノルウェーをはじめ北欧では男女ともに国会議員や大臣も育休を取得するケースが続き、国民にアピールしています。