お笑い芸人、庄司智春が、師走初めの東京・築地に姿を現した。
2回目の朝日新聞社訪問。
ここで「庄説」Round3に臨む。
気合を入れて、やってきた……はずなのに、
担当記者からは
「疲れてますよね。大丈夫ですか?」
と聞かれる。
体力的には問題ないのに、どうもやつれて見えるらしい。
いわゆる年末進行ってやつで忙しいせいかもしれない。
でも今回のテーマのせいかもしれない、とも思う。
「特定秘密保護法案」
最近、熱い議論が交わされている、あれだ。
すごいことを決めようとしているらしい、
ということはわかった。
賛成派と反対派が、
一歩も譲らず、ガチでやりあっている、
ということもわかった。
でも、新聞をよく読んでも、ぴんとこない。
ここ半年くらい、オレたちの知らないところで、
大事なことがどんどん変えられていっているような気がして、ずっと不安だった。
芸人仲間でも
「戦争に行かなきゃいけない世の中になる可能性もあるらしいぜ」
「まじかよ」
みたいな話が出ることもある。
もしかして、この法律、それに関係あるのかな?
今回の対戦、いや違った対談の相手は、
この法案についての社説を
何度も書いているという、小村田(こむらた)義之論説委員だ。
どんな難しい顔の人が来るのかと思っていたら、腰が低くてノリのいい人が現れた。
これまでの対戦相手で、多分一番明るい。質問はしやすそうだ。
まずは一番気になることを聞いてみた。
「この法案、このまま通っちゃうんですかね」
「明日ぐらいに衆議院を通過するんじゃないかと言われてますね」
「そんなに早く!?」
この対談が行われたのは、特定秘密保護法案が衆議院を通過する2日前。
その時点でも、庄司は、まさかそんなに早く法案が通過するとは、夢にも思っていなかった。
「これほど早く法案を通したいと思う理由って何なんですかね。
すごい反対している人たちもいるみたいなのに」
気を取り直して、そう聞くと、小村田論説委員は言った。
「その答えはですね……言えません」
「えっ?」
「秘密です。今日はもう、これで終わり」
果たして、どんな展開になるのか。
次回は、年明けに配信の予定です。(魚住ゆかり)
茨城県出身。地元の日立製作所をやめて1992年に入社。政治部で自民党、公明党、外務省、旧防衛庁を担当。米スティムソン・センターの客員研究員も。ワシントン特派員として2008年にオバマ氏が勝利した大統領選を取材したが、英語より茨城弁が得意。
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