神戸市の井吹東小学校(西区)と魚崎小学校(東灘区)が、全国に2万1460校ある小学校の児童数ナンバーワンを競い合っている。昨年度は1465人の魚崎に軍配が上がったが、本年度は前年より児童数を152人増やした井吹東が1600人の大台に乗せ、全国トップに躍り出る見通しだ。(阿部江利)
文部科学省が毎年実施する「学校基本調査」の2012年度調査(12年5月1日現在)などによると、児童数が1400人を超える学校は全国に3校あり、うち2校が兵庫県内。近年は魚崎と千葉県船橋市の葛飾小が僅差で競っていたが、昨年から井吹東も加わり、三つどもえのトップ争いを演じている。
兵庫県などの13年度調査(今年5月1日現在)の推定値では、井吹東の児童数は1600人(学級数48)で全国トップに立つ。葛飾が1465人(同45)で2位、魚崎は1454人(同44)で3位とみられる。文科省による確定値は12月に公表予定。井吹東は来年4月に分校されることが決まっており、来年度以降は首位争いからの後退が確実だ。
兵庫県の13年度調査によると、県内で児童数千人以上の小学校は24校、同1~49人は48校。児童数の最少は、香美町の余部小御崎分校の3人だった。
【教室確保や給食に苦慮】
全国的に少子化が進む中、今も児童数を増やす神戸市の“マンモス”小学校2校。本年度に全国トップとなる見込みの井吹東小と、昨年度1位だった魚崎小は、いずれも阪神・淡路大震災後に校区で住宅整備が進み、子育て世帯が増えている地域にある。
西神南ニュータウンのまち開きとともに1993年に開校した井吹東小は、児童増加で98年に井吹西小と分かれ、来年4月には2度目の分校を迎える。校区の井吹台北町地区でマンション建設や宅地開発が相次ぎ、今後も児童数の増加が見込まれるという。
一方、魚崎小は校区に灘五郷の一つ「魚崎郷」があり、震災で廃業した酒蔵跡地にマンションが建設されたため、今後も児童数は“高止まり”で推移するとみられる。
マンモス校ならではの悩みも。両校とも教室が不足し、1学年が丸ごとプレハブ校舎で学ぶ。井吹東は2年生の給食調理を井吹西に依頼し、魚崎でも大きな鍋や大量の食器を片付けるため、男性調理師を手厚く配置。音楽室や理科室、プールの割り当ても一苦労だ。
魚崎の川畑寛校長(60)は「多様な考えや思いに接し、幅広い人間性に触れられる」と小規模校にない魅力を強調。分校を控える井吹東の東郷潤治教頭(48)も「手を広げれば多くの人と関わることができる。『今年は日本一を楽しもう』と呼び掛けている」と話す。
(阿部江利)
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