学徒出陣の資料 大学で展示会12月16日 12時3分
戦時中の学徒出陣は、国に多くの資料が残されておらず、不明な点が多いため、70年となることし、各大学が独自に実態調査に乗り出していて、このうち慶應義塾大学は、新たに収集した資料の展示会を開いています。
太平洋戦争中、大学生らが学業の志半ばで戦地に赴いた学徒出陣は、70年前の昭和18年に始まり、今の国立競技場では、東條英機総理大臣も出席して壮行会が行われました。
しかし、当時の新聞記事では、式典の出陣学徒の人数が、軍の機密として秘密にされ、戦後も、国に多くの資料が残されていないため、学徒出陣の全体像は分からないままになっています。
このため各大学が独自に実態調査に乗り出していて、このうち慶應義塾大学は、この夏から、卒業生やその遺族に手紙で呼びかけるなどして新たに資料を集め、今月、収集した資料の展示会を開いています。
およそ100点のうち21点は、この夏以降に寄せられたもので、「明日は自由主義者が一人この世から去っていきます」という手記を残して出撃し、特攻で戦死した卒業生が、大学の軍事教練で身に着けていた「教練服」などがあります。
また、学生生活の様子を写した貴重な写真からは、壮行会の勇ましい姿と異なり、若者の、伸び伸びとした表情が伝わってきます。
訪れた学生は、「戦争が始まっても、自分たちと同じように楽しそうに学生生活を過ごしていたと分かり驚いた。その後、徐々に戦争に巻き込まれていったと思うと、より悲しく感じる」と話していました。
調査を担当している慶應義塾大学准教授の都倉武之さんは、「歴史を深く知ったり、新たな発見をしたりすることができるので、当時の資料を残すことは非常に大切だと思う。学生には、戦争について、改めてみずから考えてほしい」と話していました。
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