初の「国家安全保障戦略」閣議決定12月17日 12時19分
政府は17日の閣議で、外交・防衛の基本方針となる初めての「国家安全保障戦略」を決定し、基本理念に、「積極的平和主義」の立場から国際社会の平和と安定に寄与することを掲げる一方で、中国の対外姿勢や軍事動向を「国際社会の懸念事項」と明記しました。
外交・防衛の基本方針となる「国家安全保障戦略」は政府が初めて策定したもので、基本理念に、「国際協調主義に基づく『積極的平和主義』の立場から国際社会の平和と安定、繁栄の確保にこれまで以上に寄与する」と掲げています。
そして、安全保障上の課題として中国の台頭を挙げ、「東シナ海や南シナ海で国際法秩序とは相いれない独自の主張に基づき、力による現状変更の試みとみられる対応を示している」と指摘したうえで、「中国の対外姿勢や軍事動向は、わが国を含む国際社会の懸念事項となっており、慎重に注視していく必要がある」と明記しました。
そのうえで、中国について、「大局的かつ中長期的見地から戦略的互恵関係を構築し強化できるよう取り組んでいく。事態をエスカレートさせることなく自制を求め、冷静かつきぜんと対応していく」としています。
さらに、武器の輸出を原則として禁じてきた、いわゆる「武器輸出三原則」について、「新たな安全保障環境に適合する明確な原則を定める」と明記し、見直しを検討することを盛り込んでいます。
一方、国家の安全保障を十分に確保するためには、社会的基盤を強化する必要があるとして、「国民一人一人が国家安全保障を身近な問題として捉えることが不可欠で、そのため、わが国と郷土を愛する心を養う」などとしています。
この「国家安全保障戦略」について、政府は10年程度の期間を念頭に置いたものとしており、情勢に重要な変化が見込まれる場合には、必要な修正を行うとしています。
「外交・安保の透明性示すもの」
国家安全保障戦略の閣議決定を受けて、安倍総理大臣は、総理大臣官邸で記者団に対し「国民の安全を守るための安倍政権の基本的な戦略を決定した。これはわが国の外交・安全保障政策を国民と海外にくっきりと透明性を持って示すものだ。国際協調主義のもと『積極的平和主義』によって、今まで以上に国際社会の平和と安定のために貢献をしていくとともに、司令塔となる国家安全保障会議のもと、戦略にのっとってしっかり政策を推進していきたい」と述べました。
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