第9回 データマイニングで、ロイヤルカスタマーを見つけるには

弊社分析チームへの依頼で最近増えているのが、「データでロイヤルカスタマーを見つけたい」というご相談です。データマイニングなら、売上貢献度の高い優良顧客であるロイヤルカスタマーを見つけることもできます。今回は、ロイヤルカスタマーを見つけるためのポイントをご紹介します。


購入回数か金額か。忠誠度をどう定義するのか

Loyalの和訳は、忠誠、忠実。ロイヤルカスタマー(loyal customer)は、自社の商品・サービスに対して、忠誠心の高い顧客を意味します。
顧客の忠誠心や忠実さとは、何でしょうか。シミュレーションゲームのように、画面の右端に忠誠心の度合いが表示されるというわけにはいきません。ロイヤルカスタマーを育成し、売り上げ向上を狙うのであれば、まずはお客様の忠誠心を定義する必要があります。

売り上げがKGI(重要目標達成指標)として設定される業態の場合、通算購入回数や、通算購入金額で、忠誠心を量ることがほとんど。実際にどの指標を用いるかは、データを確認してから決定することが大切です。指標として使えると思ったデータがまったく使えない、といったことがないようにしましょう。

権藤タイプか、山本昌タイプか。顧客の購入パターンを見極める

ここで、プロ野球を例にとったお話を。
横浜ベイスターズの監督を務めたこともある権藤博さんは、通算勝利数82という記録を持つピッチャーでした。82勝という数字だけを取ると、それほどの名投手ではなかった印象を受けますが、現役生活は5年だけで、プロ入り後たった2年間で62もの勝ち星を挙げています。それに対して、現役生活30年の中で213という勝ち星を挙げ、今も投げ続けている中日ドラゴンズ山本昌さんのような投手もいます。

自社のお客様の商品購入パターンは、権藤さんタイプでしょうか。それとも、山本昌さんタイプでしょうか。お客様の購入パターンが権藤さんタイプの場合は、期間を短く区切る必要があります。逆に山本昌さんタイプの場合は、期間を長く設定しないとロイヤルカスタマーを見つけることができなくなります。

長い間、顧客でいてくれるに越したことはないのだから、期間を区切る必要はないのでは、と思った方もいるのでは。商品が耐久消費財で、何年かに1度しか購入チャンスがないのであれば、通算期間を区切る必要はありませんが、購入サイクルが短く、月額課金型のサービスの場合、期間を区切らないと大変なことになります。自社の顧客がどのような購買行動をしているのか、正確に把握し、適切な期間を設定すれば、ロイヤルカスタマーを正確に見つけることができます。

データマイニングで、忠誠心の高いお客様を見つける。これはとても魅力的な課題です。では、何のためにロイヤルカスタマーを見つけるのでしょうか。定点観測して、その行動を正確に把握するため? ロイヤルカスタマーを維持するため?増やすため? それとも、忠誠度をより高めるため?
何のためにロイヤルカスタマーを見つけるのか。目的を明確にすることで、自社の次の一手が見えてきます。

[まとめ] データマイニングで、ロイヤルカスタマーを見つけるために必要なこと

・ロイヤルカスタマーをわかりやすい指標で定義する。
・ロイヤルカスタマーを見つける期間を定義する。
・ロイヤルカスタマーを見つける目的を明確にする。

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