仕事を終えて、家に帰ると君と少年がいない。
勢いよく玄関を開けたものの、シーンとした家の中で、トラが所在なさげにウロウロしてた。
トラに声をかけて、水を差しだす。
いつの間にやら、すっかり仲良しだｗ

料理の支度の途中のようで、ジャガイモが茹でてある。
まな板の上に包丁も出しっぱなしだし、買い出しにでも出かけたのかな・・・。

メールでやり取りして、まだ時間かかりそうとの返事。
そんなに謝らなくていいんだよ。
一生懸命食事を作ってくれてありがとう。
ご飯に麦まで入れてくれちゃって、なんだか色々考えてくれてるなあと嬉しくなる。

ん？なになに？
なんでマキロン？？
少年が公園でこけて怪我でもした？？

近くの薬局は閉まってる時間だし、
あのスーパーの隣のドラッグストアはどうだったかなあと考える間もなく、自転車を飛ばしてた。
ドラッグストアに着くとまだ開いてた！
急いで、中に入り、マキロンを購入して、自転車にまたがったところで、君からメール。

どどっどどどｄっどどどどど、どうしぃたあああああああああああああああああああああああ？？？？？？

帰ったら話すーって、何がどうなって包帯ぐるぐる？？
え？？どうして？
なんでええええええ？？？？？

なんでピース？

えええええええええええええええええええええええええええええええ？？？？？？？？？？？

とにかく早く帰ってきておくれ。
怪我させてしまった。
ごめんな。
うん、まずは安全運転で、ってその手で安全運転も何もあるかいな。
いや、とにかくゆっくりでいいから安全運転だ。
少年よ、ママの隣にいてくれてありがとう。
ごめんな、怖かったな。

事情を聴くと、
包丁が滑って、ざっくりと2か所やったとのこと。
縫うには至らなかったけど、酷い怪我をさせてしまった。
ごめん。
一生懸命料理してくれていたから、こんな怪我をさせてしまったね。

謝る僕に笑って、君は自分がドジなことをおどけて見せてくれた。
二人で笑って、僕は、君からレッスンを受けながら、ポテトサラダを作ったね。

僕は君を抱きしめる。
大好きだ。