1960年代、キックボクシングはテレビ4局が競うブームだった。それまでムエタイはタイ式ボクシングと呼ばれていた。日本初上陸は1959年10月、東京・浅草公会堂でのタイ人同士のムエタイ試合といわれている。
11月30日、ブームの立役者でキックボクシングの創始者・野口修さんを招いての全日本学生キックボクシング連盟40周年記念祝賀会が東京都内であった。連盟は72年10月に日大、専大、帝京大、拓大、東海大の5校の交流試合から発足。翌年11月に第1回秋季大会が開かれた。
当時、NETテレビ(現テレビ朝日)がキックボクシング中継に参入。日大在学中にプロデビューした私は同好会を発足させ、初代主将として連盟発足に携わった。だが、時は学園紛争まっただ中で各大学はバリケード封鎖し、練習場の確保に存続の危機はぬぐえなかった。それが40周年だから奇跡。感無量だった。
連盟は多くのプロ選手も輩出した。元WKA世界王者・土屋ジョー、元全日本フライ級王者・山田隆博、現WPMF世界スーパーフェザー級暫定王者・SHIGERU、元J−NETWORKライト級王者・黒田アキヒロ、同フェザー級王者・小山泰明、元K−1王者・城戸康裕、女子ボクシング東洋フライ級王者・江畑佳代子、プロレスラー・KUDOらだ。祝勝会には130人のOBが参加。後輩らにあらためて敬意を表したい。 (格闘技評論家)
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