認知/記憶障害・被害妄想 【死ぬと言う患者⑫】
彼は秋に弁護士とともに来院した際も、明らかな事実誤認があるのに、「ハッキリ覚えています!」「そう聞きました!」等と言って大声を上げた事があります。
①初回手術で、シリコンプロテーゼが「鼻先まで来るなんて聞いてない。」
・・・弁護士にカルテを見て貰い説明もしましたが、術前の説明で鼻先までシリコンが来ている絵をL型、I型、J型で側面・下から・実際に入れる材料の形状で7つ記載した絵があり、それは皆鼻先まで来ており、特に実際に入れる形状の絵にはシリコンに該当するものを黄緑色で塗って、鼻先部は矢印で「うすめ2mm位」とまで書いて説明したのに、彼の記憶には全く無いのです。
②鼻の「ハイブリッドプロテーゼは曲がらない。」
・・・こんな言葉は私はハイブリッドどころか単なるシリコンプロテーゼでさえ、唯の一度も言った事はありません。ピタッと真っ直ぐ100%入るとは断言できないのは美容外科医師なら皆、心得ているものです。
③「先生が(某モデルは)鼻先が下がってるって言ったじゃないですか!」
・・・私は患者さんから一度も見たこともない持参のモデルの写真を見せられても、患者さんを差し置いて私の方から、このモデルの鼻は云々とコメントが出来ないものと悟っています。まず患者さんが見てきた枚数と時間が違い過ぎますし、三次元を二次元に置き換えた写真からは、まず患者さんから言葉としてコメントを聞くものとしております。
④「自分の明るい未来を奪っといて!」
・・・彼は、「遺書を書いています。自分が死んだ時は先生を訴えたりしません。親もそういう人じゃないです。」この悲壮な言葉も再三聞かされ、リスク多大なのを説明しても、彼が急いで手術するのを懇願した事への責任を私に転嫁する思考は病的?と、この秋に思ったものです。≪尚、弁護士から■■■万円(中年男性の平均年収より多い額)の賠償請求を言われました。≫