アジア・太平洋株式サマリー:上海総合指数が1カ月ぶり大幅安
12月16日(ブルームバーグ):アジア・オセアニア各株式市場の動きは以下の通り。
【香港株式市況】
香港株式 相場は下落。ハンセン指数が1カ月ぶりの安値で引けた。英HSBCホールディングスとマークイット・エコノミクスが発表した中国製造業担当者指数(PMI)が市場予想を下回った。投資家は17日から始まる米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果待ちとなっている。FOMCでは緩和縮小の是非が議論されると見込まれている。
ガス会社の昆侖能源 (135 HK)が3.1%下落し、ハンセン指数の下げを主導した。大型スーパーマーケット運営会社、卜蜂蓮花(CPロータス、121 HK)は4.3%安。北京物美商業集団(ウーマート・ストアーズ)がCPロータスから店舗を取得する計画が進展しないことを明らかにした。
香港の電力会社、電能実業(6 HK)は1.2%高。スピンオフ(分離・独立)されたら同社の電力部門の時価総額は少なくとも480億香港ドル(約6400億円)になるとの見通しを示した。
ハンセン指数 は前週末比131.30ポイント(0.6%)安の23114.66と、11月15日以来の安値で終了した。ハンセン中国企業株(H株 )指数は同0.9%安の10932.27で引けた。
ベアリング・アセット・マネジメントのマルチアセット戦略責任者キエム・ドゥ氏(香港在勤)は、FOMCでの「緩和縮小が市場の現在の唯一の関心事だ」と指摘。また「中国経済が恐らく一段と持続的に減速を続けると予想する向きもある」と述べた。
【中国株式市況】
中国株式市場 では、上海総合指数が1カ月ぶりの大幅安となった。民間がまとめた中国の製造業購買担当者指数(PMI)速報値が市場予想に反して低下したことで、経済成長への減速懸念が広がった。
江西銅業(600362 CH)と中国アルミ(チャルコ、601600 CH)を中心に素材銘柄が売られた。中国最大の自動車メーカー、上海汽車集団(SAICモーター、600104 CH)は5.4%安。自動車のナンバープレート発行を制限するとの天津市当局の方針が響いた。
中国銀行(バンク・オブ・チャイナ、601988 CH)は3カ月ぶりの大幅下落。指標の短期金利が上昇したのが背景。
上海証券取引所の人民元建てA株と外貨建てB株の双方に連動している上海総合指数 は、前週末比35.21ポイント(1.6%)安の2160.86と、5営業日続落。6月以降で最も長い下落局面となった。上海、深圳両証取のA株に連動するCSI300指数は同1.6%安の2367.92。
英HSBCホールディングスとマークイット・エコノミクスが16日に発表した12月のPMI速報値は50.5と、11月の50.8から低下し、ブルームバーグが集計したアナリストの予想中央値(50.9)を下回った。
華西証券の毛勝アナリストは「予想を下回るPMI速報値は市場に悪影響を及ぼすだろう。流動性が逼迫(ひっぱく)するにつれて年内いっぱい相場は小幅下落すると見込まれる」と指摘した。
【インド株式市況】
16日のインド株式相場は5営業日続落。11月の卸売物価上昇率が市場予想を上回り、利上げ観測が強まった。
スポーツ型多目的車(SUV)とトラクター生産でインド最大手のマヒンドラ・アンド・マヒンドラが4カ月ぶり大幅安。ジンダル・スチール・アンド・パワーは3週間ぶり安値となった。一方、グラクソスミスクライン・ファーマシューティカルズ は約20年ぶり大幅上昇で上場来高値を更新。親会社の英グラクソ・スミスクラインが持ち分を増やすことを提案した。ソフトウエア輸出のインフォシスは2.3%高。
ムンバイ市場のセンセックス 指数は前週末比56.06ポイント(0.3%)安の20659.52で終了。11月のインド卸売物価指数(WPI)は前年同月比7.52%上昇と、伸び率がエコノミスト予想の7%を超えた。インド準備銀行(中央銀行)は18日に政策を決定する。ブルームバーグの調査ではエコノミスト19人中11人が0.25ポイントの利上げを予想している。
【オーストラリア株式市況】
S&P/ASX200指数は前週末比8.79ポイント(0.2%)安の5089.63。
【韓国株式市況】
韓国総合株価指数は前週末比1.76ポイント(0.1%)安の1961.15。
【台湾株式市況】
加権指数は前週末比63.07ポイント(0.8%)安の8313.87。
更新日時: 2013/12/16 21:36 JST