奇跡の果てにあるものは

地球カレンダーを知っていますか?
地球が産声を上げてから、今現在までを一年に置き換えたカレンダーです。
二月の下旬、まだまだ寒さの厳しいある日、初めての命が生まれました。
それから半年ばかり、命は微睡んでいました。
九月の下旬、残暑厳しいある日、初めて多細胞生物が生まれました。
でもまだまだ命は微睡みの中。
十一月も下旬に入る頃、冬の気配の濃くなるある日、突然命は目覚めます。

魚が生まれ、
両生類が生まれ、
森が生まれ、
爬虫類が生まれ、
恐竜が生まれ、
ほ乳類が生まれ、
鳥類が生まれ、
どんどん地球は賑やかになりました。
クリスマスには恐竜が全盛期で、大地を踏みしめていました。
でも、クリスマスの翌日には恐竜は絶滅してしまいます。
ところで人間は何時生まれたのでしょうか?

大晦日です。
十二月三十一日、二十三時三十七分、
ホモ・サピエンスは産声を上げました。
二十三時五十九分四十六秒、
キリストが生まれ、
二十三時五十九分五十九秒、
たった一秒の間に二十世紀が始まって終わり、更に二十一世紀が始まりました。
四六億年という永遠にも思える時間の中で、
私達は白昼夢よりも儚い一瞬を生きています。
その一瞬に永遠の刹那を生きています。

それが奇跡でなくて、何なのでしょう?
その奇跡の果てに、
たった今、
君は産声を上げました。
新しい年の始まりです。
それは君に託された、
未来なのです。

淫インモラル 妖姫