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資金援助打ち切りで現実味 小沢一郎今期限りで引退か

 政治家の資金力のバロメーターとなる政治資金収支報告書。2012年の中央分と地方分の合算で、首位となったのが小沢一郎・生活の党代表だ。約3億6000万円を集めたが、その内実は、元赤坂のマンションを売却して約6500万円を計上するなど、決して楽なものではない。政権交代の立役者となった2009年には、収入は9億円を超えたが、最近は日本医師会、新興宗教団体「ワールドメイト」の関連団体のほかには、目立った大口スポンサーは見当たらず、集金力に翳りが見えている。

「収支報告書では、解党した新生党と自由党から受け継いだ資金をプールしている団体から8億、亀井静香氏から2億円を借りていたことも明らかになりました」(政治部デスク)

 現在、事務所は議員会館のみに縮小。落選した樋高剛氏や川島智太郎氏らが出入りし、事実上の秘書となっている。

 目下、小沢氏の悩みのタネは、“元秘書問題”だ。陸山会事件の控訴審で有罪判決を受けた元秘書たちは、石川知裕前衆院議員が最高裁へ上告し、地元・北海道で政治活動を再開したが、ほかの2人は上告を断念し、有罪が確定した。

「無実を主張してきた小沢氏の意に沿うならば、石川氏のように最高裁まで争うのが筋でした。そこで小沢氏側が元秘書2人への支援を打ち切ろうとしたところ、1人が再就職の世話をするように要求。その元秘書と事務所関係者との間で話し合いが持たれたそうです」(同前)

 持論の野党再編どころではない小沢氏。

「腹心の川辺嗣治秘書が岩手に入って、2年後の知事選のテコ入れをしている。ただ、元復興相の平野達男参院議員の出馬が取り沙汰され、小沢系の達増拓也知事が負けるようなことがあれば、次期総選挙に出馬せず引退するのでは。『次期総選挙が最終決戦』と語っていた側近さえ、『私の仕事は看取(みと)りですよ』と、小沢氏の“おくりびと”となる覚悟をしているようです。引退後は、別荘のある沖縄で余生を送ると見られています」(岩手県政担当記者)

 元側近も語る。

「最近は、小沢系の元議員が資金援助を求めてもほとんど応じていないとか。一部は別の側近に活動資金を無心に訪れています」

 来年の元旦には、恒例の世田谷の自宅での新年会を開く予定だが、今までになく小規模の宴となりそうだ。

週刊文春
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