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【スポーツ】

内村 2冠締め

2013年12月16日 紙面から

◇豊田国際体操

 ▽最終日▽15日▽種目別▽男子=跳馬、平行棒、鉄棒、女子=平均台、床運動▽参加8カ国・地域▽愛知県豊田市総合体育館(スカイホール豊田)▽中日新聞社など主催

 完璧な着地で1年を締めくくった。男子は今年の世界選手権で史上初の個人総合4連覇を達成した内村航平(24)=コナミ=が平行棒を15.550点、鉄棒を15.750点で制し2冠を達成した。跳馬に出場した白井健三(17)=神奈川・岸根高=は13.912点で10位だった。女子では世界選手権代表の笹田夏実(18)=東京・帝京高=が平均台で14.700点をマークし初優勝を果たした。

 万能の絶対王者が今年最後の演技で示したのはハートだった。「技術より、絶対に止めにいくという気持ちだった」。思いを込めて鉄棒を握った内村。最高G難度の大技「カッシーナ」に始まりD難度とF難度の連続技などを次々と繰り出す。最後はE難度の「伸身2回宙返り2回ひねり下り」をピタリと止めると、自身も驚きの表情でガッツポーズ。難度を示すDスコア、出来栄えを示すEスコアともに出場選手中最高をマークする完勝で1年を締めくくった。美しい着地の伏線は、その前の種目の平行棒にあった。着地でわずかに動いてしまう。「止めにいき過ぎて、反応がよくて弾んでしまった」。優勝はしたものの、心の底に残ったもどかしさ。だからこそ、最後の鉄棒は着地にこだわった。気持ちで臨んだ。そして止めてみせた。

 こだわり続けた着地で新境地を開いた1年だった。「着地は運みたいなところもあった。そこを自分で合わせて止めるのを今年ようやくものにできた」。実感できたのが世界選手権の種目別平行棒の決勝だったという。金メダルだけではなく止めにいって止まるという感覚をつかんだ。自ら「代名詞だと思っている」とプライドを持つ着地、その進化の成果を見事に見せつけた。

 無理をしないことをテーマに掲げ、その中でも結果を出し続けた2013年を「来年とリオデジャネイロ五輪へ、すごくいい1年だった」と満足げに振り返った内村。2014年、持ち味の美しい体操はまだまだ進化する。 (川村庸介)

 

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