<黒子のバスケ脅迫>36歳容疑者「負けました」身柄確保に
毎日新聞 12月15日(日)22時0分配信
◇「恵比寿ガーデンプレイス」近くの路上で
人気漫画「黒子のバスケ」の関連商品を扱う店舗など全国約400カ所に脅迫文が届いた威力業務妨害事件。警視庁に逮捕された大阪市東成区の職業不詳、渡辺博史(ひろふみ)容疑者(36)は容疑を全面的に認めているという。作者の藤巻忠俊さんへの恨みを強調する文書も見つかっているが、面識はないといい、動機には不可解な部分も残る。
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「藤巻さんが成功したことへのやっかみがあった」。同庁捜査1課の調べに、こう供述しているという渡辺容疑者。毎日新聞社に今年10月に届いた脅迫文にも「祝福された人生を歩む藤巻と誰からも愛された経験のない俺」「今の日本で最も価値の低い命から最も価値の高い命への反乱」−−など、自己の境遇を卑下し、作者の成功を羨むような記述があった。これに対し、藤巻さんは「(恨みを買うような)心当たりはない」と話していた。
同課によると、渡辺容疑者は15日午後3時ごろ、東京都渋谷区の商業施設「恵比寿ガーデンプレイス」近くの路上で、郵便ポストに脅迫文を投函(とうかん)しようとしているところを追跡していた捜査員に確保された。「ごめんなさい。負けました」。渡辺容疑者は観念したようにそう述べ、一連の事件について「1人でやった」と供述しているという。
所持していたリュックサックには、今月末に都内で開催予定の高校のバスケットボール大会や、「コミックマーケット」と呼ばれるイベントの主催者などに開催中止を求める脅迫文約20通が入っていた。封書はこれまで届いたものと同様に、宛先を印刷した紙が表に貼られていた。
渡辺容疑者は身柄を確保された後、麹町署に任意同行され逮捕状を執行されたが、「脅迫文を投函するために15日に上京した」と供述しているという。【松本惇、山崎征克、神保圭作】
最終更新:12月16日(月)1時43分