週刊少年ジャンプ(集英社)の人気漫画「黒子のバスケ」の単行本や関連商品の販売中止を求める脅迫文などが送られた事件で、警視庁捜査1課は15日、威力業務妨害の疑いで職業不詳渡辺博史容疑者(36)を逮捕した。
捜査1課によると、渡辺容疑者は「ごめんなさい。負けました」と容疑を認め、一連の事件も「自分がやった」と供述。「(作者の)藤巻忠俊さんと面識はない」とした上で、漫画で成功した作者にやっかみがあったと話している。
逮捕容疑は昨年10月12日午後7時ごろ、藤巻さんがかつて在籍していた上智大(東京都千代田区)の体育館2階に、犯行声明文と硫化水素が発生している容器を置き、大学の業務を妨害した疑い。
黒子のバスケをめぐっては、昨年10月以降、大手コンビニや書店チェーン、報道機関など約400カ所に脅迫文が届き、コンビニから撤去された作品関連商品の菓子から毒物のニコチンが検出されるなどの騒ぎになっていた。
脅迫事件の関係先周辺にあった防犯カメラの画像などから渡辺容疑者が浮上。脅迫文を投函するため15日に上京したといい、同日午後、渋谷区のポスト近くにいたところを捜査1課の捜査員が見つけ、任意同行した。
持っていたリュックサックには、報道機関や12月に開催予定の同人誌即売会会場などに宛てた封書約20通が入っていた。
黒子のバスケは2008年12月から週刊少年ジャンプで連載され、単行本の累計発行部数は2300万部を超えるヒット作。(共同)