過重労働やパワーハラスメントで若者らを使い捨てる「ブラック企業」が社会問題化する中、厚生労働省は14日までに、2015年春卒業予定の大学生や大学院生の雇用を希望する企業に対し、過去3年間の採用者数と離職者数を求人票に明示するよう要請することを決めた。
ブラック企業は大量採用して過酷な労働を強い、次々と退職に追い込んでいくのが特徴。求人票への記入は強制ではないが、明示しないと「明らかにできないほど多い」とみられる可能性もあり、就職を希望する学生の参考にしてもらう考えだ。
厚労省によると、全国のハローワークで受け付ける求人票に、過去3年間の採用者数と離職者数を書く欄を新たに設ける。職業安定法では原則として求人申し込みは受理するとされており、記入しなくても求人はできる。高校卒業予定者への求人票には以前から同様の記入欄があるという。
「若者を使い捨てにする企業」への対策として、厚労省は約4千社を対象に指導監督を実施。12月中に結果を公表する予定だ。指導後も法律違反を是正しない企業は、ハローワークで求人を紹介しないことにしている。
厚労省は14年度の予算にも、電話相談ダイヤルの設置や労働法の知識を紹介するホームページの作成などの経費を盛り込む方針で、ブラック企業への対策を続けていく。〔共同〕
ブラック企業、厚生労働省、パワーハラスメント
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