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2013年12月15日(日)

秘密保護法認めない

公安警察 スパイ養成の勧め

旧動燃の内部資料で判明

秘密保護法で拡大の恐れ

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 安倍内閣が強行成立させた秘密保護法では、「もっと情報を明らかにさせよう」などと市民らが話し合ったことを「共謀」や「教唆」で処罰するために、密告やスパイ活動を奨励する「自首減免」を定めています。この卑劣な活動を担う公安警察が旧動燃(動力炉・核燃料開発事業団、現、日本原子力研究開発機構)の職場で、スパイ養成を勧めていたことが、動燃の内部資料でわかりました。


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(写真)公安警官の話を記録したメモ(一部黒塗りにしています)。拡大部分は動燃側にスパイ養成を求めたところ

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(写真)幹部と公安警察が結託した組合つぶしが明らかとなった旧動燃と、旧原研が合併した現・日本原子力研究開発機構=茨城県東海村

 本紙が入手したのは、動燃の総務部次長だった西村成生氏(1996年死去)が、東海事業所(茨城県東海村)の人事係長だった83年12月に作成したと思われる「労務情報について」と題した「マル秘」メモ。

 メモは、茨城県警の公安警官と思われる「植田主任(巡査部長)」が、動燃の労務担当者に行った報告を記録しています。

 「植田主任」は、東海村内にある当時の原研(日本原子力研究所)と動燃の日本共産党員や労働組合の活動を公安警察が「総勢60数名」の体制で監視していると発言。違法な情報収集の成果として、原研職員で誰が共産党員かなどを動燃側に知らせています。

 さらに「植田主任」は「生きた情報の決め手は、直接接して取ることである。しかも、より活動家へ近づく(シンパ↓民青↓党員)ことが勝負である」「フィルターを通した情報は限界がある」などと、スパイを使った日本共産党の情報収集の方法を教えています。

 秘密保護法のもとでは、原子力施設で働く職員や労働組合が「秘密」とされる情報を実際に入手しなくても、情報を「知ろう」「収集しよう」と話し合ったことも処罰の対象とされます。同法の「自首減免」(26条)は、こうした話し合いの中身を警察などに通報した者は、「その刑を軽減し、又は免除する」としており、スパイや密告の“ススメ”と指摘されています。

 動燃では、「テロ対策」を口実に幹部職員と警察が結託して、労働組合の活動を干渉したこと(11月29日付既報)が判明しています。秘密保護法はこうした公安警察の手法が丸ごと反映した法律であることが浮かびあがります。

違法行為にお墨付き

自由法曹団秘密保護法プロジェクト事務局長の森孝博弁護士

 刑法42条1項に「罪を犯した者が発覚する前に自首したときは、その罪を減軽することができる」としています。それと比べて秘密保護法は「軽減または免除する」として「免除」まで認め、減免を「できる」ではなく「する」と約束しています。

 同法は、自首減免を「未遂」と「共謀」に適用します。「共謀」を例に考えると、複数の人が関わっていることについて、その中の1人が密告すれば、密告者は減免が認められ、残りは「共謀罪」で一網打尽にされる。

 もともと、違法な情報収集をする公安警察に、スパイ行為などのお墨付きを与えるのが秘密保護法の自首減免規定です。こうした違法行為をこの機に乗じてできるようにしたのが、この規定の狙いといえます。


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