【ヨハネスブルク】10日に南アフリカで行われたネルソン・マンデラ元大統領の追悼式典に手話通訳士として参加したタマサンカ・ジャンティ氏が12日、通訳がでたらめだったと非難されていることに絡み、自分は統合失調症を患っており、式典の最中に幻覚に見舞われていたと弁明した。ただ、これまで大事な行事で通訳をこなしてきたと反論している。
この件をめぐっては、ジャンティ氏がオバマ米大統領ほか各国の首脳のすぐ横に立っていたことから、式典での警備についても疑問が浮上している。
同氏はヨハネスブルクのラジオ局「トークラジオ702」のインタビューに応じ、「現在、統合失調症の治療を受けている」としながらも、英語を手話に通訳する資格を持っていると述べ、これまで南アで行われた他の主要行事で聴覚障害者のための通訳をこなしてきたと話した。
ただ、追悼式典会場でオバマ氏その他首脳の間近に立つと、「スタジアムに天使がやって来るのが見えた」という。
ジャンティ氏は12日、AP通信に対し、「この問題の発作はわからない」と述べた。「自分が暴力的になることもあれば、自分を追いかけてくる物が見えることもある」という。
ラジオでのインタビューでは、治療の詳細を明らかにすることは控えた。同氏への電話はつながらなかった。
南アなどの聴覚障害者を支援する人たちによると、ジャンティ氏の手話は、オバマ大統領、南ア高官、その他要人の発言とほとんど関係がなかった。聴覚障害者連盟の当局者は「手の形、顔の表情、体の動きが話し手の言ったことと合っていなかった」と述べた。
9万人収容のスタジアムで行われた追悼式典には、90人を超える国家元首、映画スター、ロック歌手などが出席。ジャンティ氏の動作は、このスタジアムの大型スクリーンに映し出され、何百万人もの人が見るテレビでも流れた。
同氏はインタビューで、マンデラ氏とともにアパルトヘイト(人種隔離)政策と闘ったアルベルティーナ・シスル氏の告別式など、他の重要行事で通訳を行ったと語った。シスル氏が死去したのは2011年。
ジャンティ氏は「ずっと通訳が間違っていたのなら、なぜ今になって問題になるのだ」と述べた。
マンデラ氏が1994年の総選挙で勝利に導いたアフリカ民族会議(ANC)は、以前にジャンティ氏を雇ったことがあると確認した。ただ、今回の追悼式典については党ではなく政府が主催したとしている。
チャバネ大統領府相は12日、ジャンティ氏が雇われた経緯などについてコメントできないと述べた。
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