黒子のバスケ脅迫:大阪の男を逮捕 威力業務妨害容疑

毎日新聞 2013年12月15日 21時31分(最終更新 12月15日 22時03分)

人気漫画「黒子のバスケ」
人気漫画「黒子のバスケ」

 人気漫画「黒子(くろこ)のバスケ」の単行本や関連商品を扱う店舗などに販売中止を求める脅迫文が届いている事件で、警視庁捜査1課は15日、大阪市東成区、職業不詳、渡辺博史容疑者(36)を威力業務妨害容疑で逮捕した。同課によると、「ごめんなさい。負けました」と容疑を認めているという。

 逮捕容疑は2012年10月12日、東京都千代田区の上智大の体育館2階に、喪服の死神を名乗った犯行声明文とともに硫化水素が発生中のプラスチック容器を放置し、同校の業務を妨害したとしている。

 一連の事件は12年10月、作者の藤巻忠俊さんの出身校の上智大キャンパスに、「俺は藤巻が憎い」などとする脅迫文と硫化水素を発生させる液体入りの容器が置かれたことから発覚。その後も、千葉市などで予定されていた関連イベント会場に脅迫文が届き、イベントが中止に追い込まれるなどの騒ぎになった。

 今年5月以降はいったん途絶えたが、10月にコンビニ最大手「セブン−イレブン・ジャパン」(千代田区)に毒入り菓子を置いたとする脅迫文が届き、約1500店で関連商品が撤去された。捜査1課が回収したウエハース菓子を鑑定したところ、一部から毒物のニコチンが検出された。

 毎日新聞社を含む複数の報道機関にも同様の文書が届き、一部の社には「毒を入れた」とする菓子も同封されていた。毎日新聞社には10月15日と24日の2回、封書が届き、1回目の文書では「怪人801面相」を名乗り、「グリコ森永事件の約30年ぶりのリバイバルや」と記載。「犯人はおっさん二人」「今は東京多摩地域の賃貸で過ごしとる」などと書かれていた。

 一連の脅迫文の消印は東京や埼玉、大阪などバラバラだが、捜査1課は文面の特徴などから同一人物が関与したとみて捜査していた。

 黒子のバスケは08年から週刊少年ジャンプ(集英社)で連載中のバスケットボールを題材にした人気漫画。単行本の累計発行部数は2300万部を超え、毎日放送などでアニメも放送されている。【松本惇、山崎征克、神保圭作】

 ◇黒子のバスケ

 2008年12月から週刊少年ジャンプ(集英社)で連載中のバスケットボールを題材にした漫画。主人公「黒子テツヤ」が仲間とともに高校バスケで全国制覇を目指すストーリー。単行本は25巻まで発行。24巻までの累計発行部数は2300万部を超え、毎日放送などでテレビアニメも放送されている。

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