フランスNutrition Hormones and Women's HealthのA. Vilier氏

 1日グラス2杯以上のワインを飲んだ女性は、飲まなかった女性に比べて2型糖尿病(DM)発症リスクが37%減少したことが示された。ワイン摂取量と2型糖尿病リスクとの関係を追ったコホート試験、French E3N cohortの結果、明らかになった。フランスNutrition Hormones and Women's HealthのA. Vilier氏らが、12月2〜6日にメルボルンで開催された世界糖尿病会議2013(IDF-WDC2013)で報告した。

 対象は、French E3N cohortの計6万6485人の女性。14年間に渡り糖尿病発症について追跡し、ベースラインでのワイン摂取と2型糖尿病リスク間のハザード比を、多変数Cox回帰モデルを用いて求めた。

 その結果、追跡期間中に1372人が2型DMを発症した。ワイン摂取量と2型糖尿病リスクとの間には、負の関係が観察された(P<0.0001)。より詳細にみていくと、1日に2杯以上のワインを飲んでいた女性はまったく飲まない女性に比べて、発症リスクが37%減少していた。ワインの生涯摂取量を考えると、10-15歳で定期的にワインを飲み始めた女性は、生涯飲まなかった女性に比べて、成人になってからの2型糖尿病のリスクが低いという結果だった。他の種類のアルコール消費で補正しても、結果は同様のままだった。

 この結果から演者らは、長年に渡って定期的にワインを飲んでいることが、2型糖尿病発症リスクの抑制に関与している可能性があるとまとめた。