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【コラム】韓国こそ「冷静、冷静、また冷静」に行くべき

せっかちな大国・中国、今後さらに巨大化しても米国の相手にはなれない
米国の力をもっと理解し、日本を軽視せず、かつ韓国を過小評価しないこと

 とはいえ、中国人が今の韓国を気持ちの上で十分消化し切れていない可能性も存在する。というのも、昔は小国で、今後も中国の影響力の下にあるべき韓国が、大きくなってしまったからだ。韓国の経済は到底無視できず、南北合わせれば人口は8000万人に迫る。飲み込むには大き過ぎる。中国は韓国に対しことさら大仰な態度を取るが、その裏には情緒的・歴史的な消化不良が横たわっているように思える。

 そんな韓国は今、米中の間に挟まれて選択を強要される危機にあるという。当然の心配ではあるが、ここには、米国と中国の力を対等だと見なす錯覚が存在している。米国の力、とりわけその軍事的能力は、専門的観点から見たことのない人には到底想像できないほど発達している。ロシアの軍事専門家は、少し前に公開された米国の新型空母「ジェラルドフォード」を見て、1隻で中国の全海軍力の40%に匹敵し得ると分析した。米国の空母打撃群が二つあれば、中国の海軍・空軍力全体を相手にしてもなお余りあるという分析もある。

 米国の海軍・空軍は、SF映画に登場する宇宙軍のような姿に変貌している。実際、宇宙戦艦のように見える駆逐艦「ズムウォルト」は、射程が154キロある艦砲を搭載している。他国の艦砲が射程20キロ前後にとどまるのと比較すると、ズムウォルトの艦砲はもはやミサイルだ。史上初となるこのミサイル砲弾を毎分20発、半数必中界(CEP)50メートルという精度で撃ち込む。さらに米海軍は、この艦砲を、いわゆる「レールガン」に変えるという。レールガンは、音速の7倍という高速で砲弾を発射し、410キロ先の目標をCEP5メートルという精度で攻撃する。音速の7倍もの速度で飛来する砲弾に耐えられる物体は、ほとんど存在しない。映画『トランスフォーマー』に登場する兵器そのものだ。米国の創造力と経済力が結集する軍事分野では、ほかの国々との差がむしろ広がっている。米中戦争はあり得ない。互いに大きな被害が出るからではなく、相手にならないからだ。米中の間に位置する韓国は、危機意識を持ち過ぎてむやみに恐れる必要はない。

楊相勲(ヤン・サンフン)論説室長
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