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イベントレポート
熊野古道センターにてこれまで開催してきた各種イベントの様子をご紹介します。
平成20年3月16日(日) 熊野古道講座 逢川の源流とシダを訪ねて を開催しました
2008年03月16日
今もその姿がかわることなく、清らかなせせらぎを湛えつづけている逢川の源流を訪ねました。多くのシダ植物が自生するこの場所には、美しい自然や民話が残っており、時間の流れがとまっているようです。
今日は晴天、朝早くからみなさん元気よく二木島に集合して下さいました。津からわざわざ来ていただいた方もいて、とても楽しみにしてこられたと聞いて、こちらまでうれしくなりました。
花尻講師のあいさつから始まり、少し暖かくなった空気を感じながら逢川の入り口へ向かいます。付近では参加者の方々を待ち構えていたかのようにビッシリと生えるシダの群落に豊かな自然が残っていることを感じ、みなさんはしばし感動していました。花尻先生の昔話を話すような語り口で始まる植物たちの説明に、参加者の方たちは目を丸くして真剣にお話を聞いていました。先生も、とても楽しそうに喋るので、みなさんの表情も思わずほころんでいますね。
ゆったりと過ぎていく時間は、逢川の源流の流れとともに流れているようで、穏やかに、空気を感じながらの散策ができました。参加者の方もその時間を楽しんでくれているようでした。
途中、大きく成長したイタドリを発見しました。イタドリはよくおひたしや煮物などにして食べるのですが、薬草の役目もあるということを知っていますか?葉っぱをすり潰して傷口に塗ると痛みがとれるといわれています。なので、痛ミドリ(イタミドリ)=イタドリという名前になったそうです。
大きく成長すると2メートル程になるイタドリは。成長すると乾燥して丈夫になり杖の代わりになるそうです。びっくりですよね。
使用した感じ杖よりも軽くて、しっかりとして安心して使える感じでした。自然は捨てるものなし、共に共存してくれているんだなぁと感じました。
逢川の橋を渡り、民話の残る、勝負地蔵を訪ねました。 年中山に籠り人里には出ず、蛇やミミズ、草などを食べていたといわれる大男と大西喜作という男の勝負のお話。結果は引き分け、しかも勝負をせずに。山男に二度と勝負をいどまれないように、誰もそのような恐ろしい目に遭わないように祀られたのが勝負地蔵の始まりとされています。今もその民話が語り継がれ、山男が化けたといわれる大木も残っています。ひっそりと静かに存在するその場所は手入れが行き届いていて、今も人々に大事に守られ、また、人々を地蔵が守っているんだなと感じました。
ここには、勝負地蔵のすぐそばで鹿から畑を守るために犬を飼っている方がいます。逢川という場所の秘境の守り人とでもいいましょうか。民話の残るその場所で、逢川の清流と共に、毎日を過ごされているのでしょう。
神秘的な場所にふれた後は、いよいよ明治道を目指します。
明治の石畳は苔がみっちりと生えていて、降雨量の多い土地独特の雰囲気を漂わせています。歩くと石畳が柔らかく感じたのは、苔のせいでしょう。足にやさしく歩くたびに山に包み込まれるような気分になりました。道の頂上までは急な坂道が多く、大変だったのですが、みなさん最後まで頑張って登っていました。途中で『やっほー』と叫ぶ方もいて、自然の中で心も体も開放されているようでした。
来た道を戻り、待ちに待った昼食の時間。逢川の源流沿いの岩場に腰を降ろしての昼食です。各自持参で持ってきていただいたお弁当を、とてもおいしそうに食べている姿が印象的でした。きれいな水の流れはお弁当の最大の調味料になったみたいですね。
ここからは、二木島のことをもっと知ってもらおうと太郎坂をみなさんに歩いてもらいました。当日の天気に感謝したくなるほどの海と山と春の花々たちの綺麗な景色に思わずパチリと集合写真を撮りました。とても素晴らしい景色にみなさん満足していただけたようです。笑顔は綺麗な景色に一番似合いますよね。
二木島駅へ戻り、周辺の東屋で山口講師から、二木島の昆虫のおはなしをしていただきました。
日本とヒマラヤにしか生息しない〔昔トンボ〕は、きれいな川の上流で見られることが多く、下流では見かけることはとても珍しいそうです。でも、ここ逢川では、みかけることもあるそうで、それはいつまでもかわることのない美しい自然を湛えているという確かな証拠でもあり、また、私たちに、自然を守っていく気持ちを思い続けさせてくれているようです。
花尻講師からはシダ植物の説明を受け、より詳しいシダの生態を知ることができました。
最後には、参加者の方々同士、和気あいあいとしゃべられていて、晴天にも恵まれ、良い一日だったなと感じました。私は、この日に参加することができて、とてもたのしかったです。
みなさんありがとうございました。