韓国の若者、筑豊の炭鉱学ぶ 大田市の13人「未来につながる相互理解を」 [福岡県]
韓国・大田(テジョン)市の中学、高校、大学生13人が14日、田川市や飯塚市を訪れ、朝鮮人炭鉱労働者の過酷な歴史を学び、供養した。日韓関係が悪化している中、「先入観を越え共存へ」をテーマに大田市の儒城(ユソン)区が企画。朝鮮人労働者を弔う日本人の話を聞いた若者たちは「韓国人の立場で考えてくれ非常にうれしい。お互いの立場や考えを理解し、未来につなげたい」と話した。
一行は16日まで3泊4日の日程で福岡、佐賀両県を訪れ、日韓の歴史を学ぶ。14日は田川市石炭・歴史博物館を見学し、炭鉱労働の過酷さを学習。田川地区人権センターの堀内忠事務局長(75)から、県内の炭鉱で11万人以上の朝鮮人が働き、その半数が職場から逃走した事実などの説明を受けた。無縁墓地では、朝鮮人労働者の墓標とみられるボタ石の周りの草木を取り除き、近くの翔魂之碑の前で無縁仏となった先人たちを弔った。
堀内事務局長は「反日感情が高まるのではないかと心配もしたが、朝鮮人労働者のことを思う日本人がたくさんいることを伝えたかった。人権に国籍は関係なく、不幸な歴史をきちんと認識し合うことが友好につながると思う」と話した。
=2013/12/15付 西日本新聞朝刊=