12日のニッポン放送のラジオ番組で自民党の石破茂幹事長が特定秘密保護法について発言した内容は次の通り。

 ――新聞でこうやってがんがん書かれるのをどう思うか。たとえば、朝日と東京が最近すごい。たとえば、昨日の件でも「石破氏、無理解露呈」「知る権利軽視」「秘密報道、『抑制される』石破氏発言、その後訂正」。この間、デモをテロとブログに書いた時も攻撃がすごい。

 「やっぱり、攻撃されるようなことを言わない方がいいですね。だから、何でしょう。丁寧に丁寧に説明する努力は今後もしなきゃいけないということだが、特定秘密というのは、それが表にでれば、国の安全、国民の生命、身体に重大な影響を与える情報だ。すごく厳選して厳選して、これだけは、というものを決める。

 『知る権利だ!』といって、それを合法な方法で知ったと。それを外に出すと、国の安全に大きな影響があるなあということがわかっているけど、報道の自由として報道する。処罰の対象にならない。でも大勢の人が死にました、となれば、どうなるんだろうね。それはやはりある。処罰の対象ではない。だからいいんだ、という話になる。

 一方において、国が都合の悪い情報を、特定秘密に指定して、国民のわからないところで恣意(しい)的にやるんじゃないのというのもあり、そこの相克というのか、せめぎ合いというのがある。

 だから、行政の中で全部完結しちゃうのはよくないので、国会がそれにどう関与するかということをこれから詰めていかなきゃいけない」

 ――どの世論調査をみても8割ぐらいの人が、「もっと審議しろ」といっているのに、なぜ12月6日にこだわったのか。

 「それは報道のせいにするつもりはないけど、新聞を読むでしょ。どことは言わないが、『反対』という報道が9割。そうじゃなくて、なぜこれが必要なのかは1割もスペースとってもらえなかった。国民のみなさんは報道でしかそういう場面に接しない。そういうことを承知の上で、9割は反対モードで、1割しか賛成報道がないならば、それを承知の上で、もう少し早く国会を召集するとか、いろんなやり方はあったと思う。

 一方で、これを先延ばしすると、来年度予算が成立しました、と。それから審議します、と。実際に特定秘密保護法が施行になり、それが実際に機能するのが1年後となると、さて今、中国が防空識別圏を設定した。北朝鮮の情勢はどうなるかわからない。そういう状況の中で、NSCという国の安全保障の司令塔がちゃんと機能するためには、秘密というものが守られることが前提じゃないと、ちゃんとした情報が入らない」

 ――戦前、戦中の暗いムードに回帰するということは、戦後68年の日本の民主主義の成長で、これはありえないと信じていいか。

 「それはそうだと思う。憲法そのものがちがう。そして統治の仕組みが違う。議会がこれだけの力を持つ。そして世論がある。なぜ戦前の治安維持法みたいな世界に戻るのか。治安維持法は、本当に国民を取り締まるための法律だ。今度の法律は、秘密を取り扱う公務員が強い責任感を持ち、そしてそれを漏らした場合には重い処罰があり、公務員に対する法律だ。国民を取り締まるための治安維持法と同列視するのは少しどうかなと思う」

 ――安倍首相が会見で「説明が足りなかった」と言ったが、時間をつくってきっちりやればよかった。森雅子さんに任せっきりではないか。

 「森大臣もすごくがんばった。私、ずいぶん昔だが、有事法制をつくるときや、イラクに自衛隊を出す時には、事前にいろんな報道の方をお招きして、法律の説明をして、いろんな議論をするということをかなり丁寧にやった。だから、そこは、私自身、配慮が足りなかったという反省がある」