■「有事の際、韓国軍が北に展開することも」
13日、国会国防委員会で緊急懸案質疑が行われ、与野党の議員は北朝鮮の事態急変に備えるよう注文した。与党セヌリ党の宋泳勤(ソン・ヨングン)議員は「北の住民数千人が突然休戦ラインや海を越えて韓国側に来れば混乱が起こる恐れがあるため、あらかじめ準備すべき」と語った。韓国政府や韓国軍当局も、緊急の国家安保政策調整会議などを開き、北朝鮮の事態急変に備えた対策のチェックに着手した。
韓国政府と韓国軍当局は「○○計画(旧『古堂計画』)」「韓米連合作戦計画5029(OPLAN5029)」など、北朝鮮の事態急変に備えた計画を持っている。最も注目を集めているのは、韓米両軍が作成したOPLAN5029だ。もともとは抽象的な「概念計画(CONPLAN)」という形で金大中(キム・デジュン)政権時代に作られ、その後紆余(うよ)曲折を経て、李明博(イ・ミョンバク)政権時代にOPLANレベルにまで具体化された。(1)クーデターによる政権交代(2)住民蜂起またはクーデターなどに伴う内戦状態(3)核・生物・化学兵器など大量破壊兵器に対するコントロールの喪失(4)北朝鮮住民の大量脱北(5)洪水・地震など大規模自然災害(6)開城工団など北朝鮮地域での韓国人人質事態-の六つのシナリオからなる作成計画だという。このうち「クーデターなどによる政権交代」「内戦状態」などについて、中・長期的に見て発生する可能性が高まっているという指摘がある。その際、韓国の安全保障に対する直接的な脅威になったり、北朝鮮の新政権から介入の要請があったりした場合には、韓国軍が主導する形で北朝鮮地域に入り、作戦を展開することになる。北朝鮮の崩壊に伴う、一種の「統一シナリオ」になるわけだ。
韓国政府の関係者は「OPLAN5029には、状況別に兵力動員、部隊配置などが具体的に明示されているが、これに基づく実働演習はあまり実施されておらず、補完すべき部分は少なくないと思う」と語った。韓米両国は、2010年に哨戒艦「天安」爆沈事件と延坪島砲撃事件が起こった後、11年初めの合同演習「キーリゾルブ」で初めてOPLAN5029を実働演習に適用したが、非常に苦労したとされる。韓国軍の消息筋は「北朝鮮の事態急変で、中国がOPLAN5029に反発した場合、韓国政府がこれを実行する意志と能力を持っているかどうかも重要な問題」と語った。