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12日に処刑された北朝鮮ナンバー2、張成沢(チャン・ソンテク)元国防副委員長(67)の死刑執行は機関銃乱射により行われた可能性があることが14日、分かった。同日付の韓国有力紙、朝鮮日報は消息筋の話として「機関銃の銃弾が90発以上撃ち込まれた」などと報道。当局が公表した写真から、死刑執行前には張氏が拷問を受けていたとの見方も出ている。韓国各メディアでは処刑の背景には国家指導者間の権力闘争があり、今後も粛清が広がる恐れが指摘されている。
金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の叔父にあたる張氏の処刑は、銃殺だったとの説が有力だが、さらに残虐な乱射だったとの説が浮上した。朝鮮日報は「現場を目撃した人の話によると、機関銃の銃弾が90発以上撃ち込まれ、遺体は原形をとどめないほど損傷した」「(その場に)居合わせた人に失神者が出るほど残酷だった」という消息筋の証言を紹介。張氏に先立って先月末に処刑された側近2人は、機関銃によって射殺されたことが分かっている。
北朝鮮当局は処刑の具体的な方法や場所について言及しておらず、真偽は不明。だが、同紙は処刑後、遺体は火炎放射器で焼かれた可能性もあるとの観測が出ていることも伝えた。北朝鮮メディアが伝えた張氏の判決文に「最高司令官の命令に従わない者らは死んでもこの地に埋葬する場所などない」との記述があることが根拠だとしている。
ナンバー2へのやっかみや反発が強かったことの表れか、張氏が特別軍事裁判に連行される場面として北朝鮮が公表した写真では、目の周りはアザのように青黒く変色。手錠をはめられた左手の甲や左頬の辺りも腫れており、処刑直前まで拷問を受けていた可能性が高い。
処刑の背景は、韓国でも様々な説が報じられている。聯合ニュースは、権力の中核をなす朝鮮人民軍政治局と朝鮮労働党組織指導部が結託して仕組んだもの、との陰謀説を紹介している。
聯合ニュースは金第1書記に次ぐ軍の実力者となった崔竜海(チェ・リョンヘ)軍総政治局長と、趙延俊(チョ・ヨンジュン)組織指導部第1副部長が粛清の背後にいたと分析。崔氏は張氏と非常に親しく、張氏の力添えで金第1書記の右腕にまでのし上がったが、影響力が増すにつれ、張氏とぶつかるようになったという。
また、張氏の妻で、金第1書記の叔母にあたる金慶喜党政治局員の今後の政治的な立場がどうなるかは不明。死刑執行の直前に、正恩氏の指示で離婚させられていたとの情報もある。
(2013年12月15日06時03分 スポーツ報知)
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