家入さんの出産クラウドファンディング([また家入か] 家入一真氏がフォロワーの出産費用をツイッターで集めて物議を醸しだしている!)に対して、「あれは偽物の可能性がある」「詐欺がはびこる」「無知な人たちが騙される可能性がある」みたいな批判があるようです。
詐欺でもいいんじゃね?
twitter上の少ない情報で知った人へお金を振り込めるのって純粋に凄くないか。「中学生なんです。出産したいので費用を恵んで下さい!」って口座晒してRTされたら簡単に振込まれそう
— ダレノガレあめ子 (@candymamm) 2013, 12月 13
昨日見かけた涙の出産費用振込祭、SNS版劇場型振り込み詐欺に転用出来そうね。妊婦ツイートなんて写真付きでいくらでも拾ってこれそうだし、10月10日かけて芝居打つの。生まれた報告はツイートで、それこそどこの子供とも知らない画像拾ってさ。きっとぼくはこの手のものには振り込まないな。
— 浜田 @ところにより西塚 (@mU_xx) 2013, 12月 13
例の出産費用カンパの件、こんなのネット上では妊娠の真偽すらわからんのにとんだお人好しもいたもんだ…と実際振り込んだ人の多さに驚愕した程度に人間不信なのでブロック新仕様しびれるわ〜^o^
— ジュテームまたぐら (@omutsupanpanman) 2013, 12月 13
それだけ困窮しているのなら、まずは民生委員、保健センターに相談するはずだがその辺の話は出てこない。
不妊で人工受精したという話が本当ならその費用はどうしたのか。
カードローンの支払が出来ないのに不妊治療費払えたの?
不妊治療して妊娠したのに出産費用がないの?
— RUBY (@ruby_crackon) 2013, 12月 13
という感じで、ネガティブな人たちがいるものですねぇ。
ぼくは別に、詐欺でもいいと思うんですよ。たかだか数百円、数千円程度の話でしょうし。実際寄付者の方からツイートを貰いましたが、「騙されてたら騙されてたらで、別に仕方ないですよね」的な反応でした。「そうか、困っていた母親はいなかったのか」で済む話です。
詐欺でもいいと思うより大きな理由は、もしも騙して善意をお金に換えたとしたら、その人は一生、その罪に苛まれることになるからです。
これ、わかりますか。ちょっとわかりにくいと思います。
たとえばみなさんがどうしても食うに困って、ツイッターで善人を騙して数十万円のお金を得たとします。
さて、みなさんは短期的には救われます。
そして「世の中ちょろいもんだ」と思うかもしれません。
そう思ってしまったが最後、またカネに困ったら詐欺を働くことになります。そういう生き方をしてしまっている時点で、相当な「罰」を受けていると思います。いずれ本当に捕まるでしょうしね。
または、善意を騙してお金に換えた結果、その罪悪感に苛まれつづけることになるかもしれません。「私は何十人もの人を騙して、お金を手に入れてしまった…」と。
それはそれで、その人にとって、厳しい罰になります。ぼくらが法的に罰を与えなくても、本人の倫理観によって、十分なほど罰は与えられるのです。
詐欺を働くような人は、どう転んでも、罰を受けることになるのです。たかだか数千円の被害ですから、別に放っておけばいいと思うんですよ。エネルギーの無駄です。ましてや今回騒いでいる人たちって、寄付した人たちでもないから笑ってしまいます。
先日スマナサーラ長老と対談させていただく機会があり、その際に聞いた話が面白かったです。
彼はスリランカに帰ったとき、ウソを付いてまでお金を貰おうとする物乞いに頻繁に出会うそうです。そういうとき、長老は「わかったわかった、もういい。100ルピー欲しいんだな、じゃあ、200ルピーあげるから、さっさとどこかへ行ってくれ」と伝えるそうです。
ぼくが「え?法律で罰したりはしないんですか?」と聞いたら「何千万円もだまし取っているわけじゃないし、牢屋に入れてもしょうがないですね」と仰っていたのが印象的です。すごく合理的でいいですよね。少額なら詐欺師すら余裕で包摂してしまう柔軟性のある社会、というか。「人間はみなバカで、悪人である」という仏教的な前提を感じたエピソードです。ま、目くじら立てて怒るのはバカげていると思いますよ。正義を振るってストレス解消したいだけなら、それは早めに、己の愚かさに気づいた方がいいかと。