レンジャーズにＮＦＬのスターＱＢ加入　ルール５ドラフトでウィルソン指名

　【レークブエナビスタ（米フロリダ州）大城和美、穐村賢】“二刀流”なるか！？　レンジャーズは当地で開催されたウインターミーティング最終日の１２日（日本時間１３日）、マイナーの隠れた逸材を発掘する「ルール５ドラフト」で、ロッキーズが保有権を持っていたＮＦＬシーホークスのスターＱＢ、ラッセル・ウィルソン（２５）を指名した。「（来春のレ軍）キャンプに参加したい」とウィルソン。年下とはいえ自分に厳しく、ストイックで知られるＱＢ加入で、ダルビッシュ有投手（２７）も刺激を受けるはずだ。

　驚きのビッグネームがルール５ドラフトで飛び出した。レ軍が指名したのはＮＦＬシーホークスのＱＢウィルソン。パスもランも一流。今季これまでリーグ最高勝率タイの１１勝２敗と、スーパーボウルの優勝候補を司令塔として引っ張るスーパースターだ。野球でも２０１０年にロッキーズからドラフト４巡目指名され、傘下マイナーで２シーズンをプレーしたウィルソンは、今回の指名に前向きだった。

　「（来春の）春季キャンプに参加して、選手たちと話したり一緒に過ごしたりしたい。クールだよね。まあ、これは先の話で、今は来週の（ＮＦＬの）試合に勝つために必死だけどね」

　レ軍のダニエルズＧＭは「決して宣伝のためではない。性格、トレーニングに向かう姿勢、集中力、闘争心に感心している。彼ならば若手たちに非常にいい影響を与える見本になる」と話し、“客寄せ”指名ではないと強調した。

　プレー、練習に対する真摯（しんし）な姿勢はダルビッシュにも相通じる。２人が“共鳴”すれば、チームへのプラスの波及効果も期待できる。

　大リーグとＮＦＬの掛け持ちといえば、両競技で球宴選出のボー・ジャクソン（元ロイヤルズなど）や、スーパーボウル優勝とワールドシリーズ進出のディオン・サンダース（元ブレーブスなど）が有名。サンダースは自身のツイッターで「もし自分がウィルソンならば、全ての選択肢を検討し、真剣に野球の道を考える」とＱＢの野球挑戦を後押しした。

　ウィルソンにはそれだけの潜在能力がある。１１年は米誌ベースボールアメリカがロ軍の若手有望株の１人に挙げ、「試合を変えられる身体能力と走力がある」と評した。今年６月、マリナーズ戦の始球式では９８マイル（約１５８キロ）のストライクを投げ込み、観客をどよめかせた。「初恋はアメフットだけど、野球も大好き」とウィルソン。レ軍の来春キャンプには、シ軍ファンも大挙して押し寄せそうだ。