原監督が指令　来年こそＶ旅行の輪「選手全員が参加するという重み」

お店でウクレレを演奏し、ご満悦の原監督

　【ホノルル（米ハワイ州）１２日】巨人・原辰徳監督（５５）が、新選手会長の村田修一内野手（３２）に初仕事となる“珍指令”を出した。今回のハワイ優勝旅行は主力選手の参加辞退が相次いだが、「来年はもっと参加者が増えるようにしないとな」と村田に話したことを明かした。

　バカンスを楽しんでいる指揮官が、さみしそうに語り始めた。「今回、『少し選手の数が少ないな』と感じている。優勝旅行は当然、家族も大事なことだけど、選手全員が参加するという重み、重さを分かち合うものだと思う」と優勝旅行本来の意図を交えながら、今後は参加するように呼び掛けた。

　ハワイ２日目となる前夜に行われた選手、家族が集まる「歓迎パーティー」で感じたことだった。あいさつをした壇上から会場を見渡した時、主力では坂本や長野、沢村、杉内、山口、西村らリーグ連覇に貢献した顔がなかった。夫人が出産を控えていた内海を除き「いろいろな事情があると思うけど、（阿部）慎之助は家族が所用で来られなくても一人で来ている。素晴らしい」と拍手した。

　優勝旅行はご褒美的な意味合いだけでなく、裏方を含めたチーム全体の親睦＝「輪」を深める意味もある。指揮官から、指令を受けた村田は「はい…」とうなずくのがやっと。これをキャプテン・阿部が代弁した。「野球はオンとオフの切り替えも大事」が信条の男は「来年こそ必ず日本一になって、選手も半強制的に来させて、いい旅行にしたい」と宣言。球団からのご褒美であるＶ旅行の大切さを、あらためて若手選手に伝えていくつもりだ。

　「今村、笠原は、あんまり活躍していないけど、よく来てくれたよ。笠原は前半、今村は後半に頑張ってくれた。うれしいよ」と最後は冗談も交えて話した指揮官。「リーグ３連覇、日本一を達成して、またみんなで楽しみたいね」と締めくくった。