松山英樹(21=東北福祉大4年)が左手親指付け根の関節炎で「日立3ツアーズ選手権」(15日、千葉・平川CC)を欠場する。先週の国内男子ツアー最終戦「日本シリーズ」も同様の理由で欠場しており、ルーキー賞金王は若くして故障に悩まされている。来年から本格参戦する米ツアーでは大丈夫なのか? 米ツアー3勝を挙げた先輩の丸山茂樹(44=セガサミーHD)が緊急アドバイスを送った。
松山は今回の欠場の他にも、10月に開幕した2013~14年シーズンの米ツアーで2度、胃炎と背中痛を理由に棄権している。
丸山は「あの年で(故障の連続は)早すぎるよね」と心配。さらに「オーバーワークに気をつけないといけない。練習しすぎなのか。あるいは試合出場のペースを考えるとか」と“勤続疲労”を起こさないように、と危惧している。
今の松山にとって大事なことは次の米ツアー「ソニーオープン」(1月9日開幕、ハワイ・ワイアラエCC)にベストの状態で臨むこと。だが、故障の回復が思わしくない場合には「不安を持ったままプレーするなら、やめた方がいい。(石川)遼も腰が痛いままプレーし続けて予選落ちの連続だったじゃないですか。米ツアーは『メディカル・エグゼンプション』がしっかりしてますから」(丸山)。思い切って、完治するまで欠場することも必要だという。
「メディカル・エグゼンプション」とは、いわゆる「公傷制度」のこと。丸山によれば「米ツアーで休んでいる間に、日本で“スパーリング”することだって、できる」。通常の公傷制度では一度復帰してしまうと万が一、回復が思わしくなくても再び制度を利用することはできない。
だが米ツアーで「メディカル――」の適用を受けている最中に、他国のツアーに出ても関係なし。日本の試合で様子を見て、万全の状態に戻ったと確信を得てから、米ツアーに復帰することも可能なのだ。
「英樹にしても遼にしても、あれだけのパフォーマンスを持っていて勝てなかったら『何やってんだ?』と言われてしまいますよ」と両雄に対する期待は高い。だからこそ、万全の状態で出てほしいというわけだ。
その丸山は、くしくも松山と同じ左親指の故障に悩まされている。今季は5試合の出場にとどまったが「今やっている治療法が、いい方向に行ってくれれば」と前を向いた。松山は米ツアーの先輩からの貴重な助言を生かせるか。
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