医療法人徳洲会グループから5000万円の金を受け取っていた東京都の猪瀬直樹知事(67)がどんどん“小物”に成り下がっている。1年間の給与返上を宣言したが、ボーナスは受け取り、居座れば1か月ごとに退職金が積み増される“ゴネ得”状態だからだ。
“裏金疑惑”を追及されている猪瀬氏は、徳田毅衆院議員(42)からカネを受け取った日の行動でウソをついていたことが12日、新たに判明。
9日に「(問題の)責任の取り方として、給料を1年間全額返上したい」と申し出た件では、議会側に示された条例案で来年1月から1年間、月額約160万円、計約1920万円の給与が発生しないだけで、年2回のボーナス計約660万円は受け取る内容であることが分かった。タダ働きする気は毛頭なかったことに、都議会側もあきれるばかりだ。
この条例案では、仮に猪瀬氏が辞任し、新たな都知事が就任した場合も無給料が適用される。給与明細を完全公開しているみんなの党の音喜多駿都議(30)は「新たな都知事が就任した時には元に戻す手続きになるでしょうが、その間は無給になり、都政が“ブラック企業”になってしまう」と指摘。都議会側は「条例を認めると猪瀬氏を信任することにもなりかねない」として、条例案は当面、取り扱わない方針を固めた。
都知事のイスにしがみつく猪瀬氏。在職期間が延びれば、増えていくのが退職金だ。「都知事の退職金は月給に在職月数をかけ、100分の52を乗じた額が支払われます」(都人事部)。猪瀬氏が現時点で辞任すれば、1年分の約998万円の退職金が支払われ、今月17日以降は、1か月ごとに約77万円が積み増される。退職金ゼロを宣言している首長も多いが、猪瀬氏は退職金規定には言及していない。
「悪いことをしたのだから退職金は辞退するのが筋。そのうえで1年間無給、ボーナスも受け取らないと掲げ、出直し知事選で信を問えばいい」と音喜多氏は迫るが、猪瀬氏はまた「生活に不安が…」と言い出しそうだ。
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