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「平均57万円」はウソ 公務員“ボーナス操作”のカラクリ

2013年12月12日(木)10時26分配信 日刊ゲンダイ

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 10日、国家公務員に冬のボーナスが支給された。テレビや大新聞は平均支給額57万1800円と報じたが、騙されてはいけない。実際はもっとたくさんもらっている。

 テレビや大新聞の情報は、総務省の記者発表資料をそのまま写しただけなのだ。よく読むと「管理職を除く」平均だと書いてある。これが騙しのカラクリだ。というのも、公務員は民間と違い、年功序列で誰でも昇進できるので、管理職の人数が民間ではありえないほどに多いのだ。ナント、公務員の半数以上が「管理職」である。

 総務省に聞くと、しぶしぶ認めた。

「今回公表したのは、行政職の係長以下の職員の平均額です。人数は、わかりません」(総務省人事・恩給局)

 行政職とは“手当の多い”税務署員や刑務官などを除く事務職で、国家公務員一般職26万人のうちの約14万人である。人事院に聞くと、内訳は係長以下が7万1311人に対し、「管理職以上」は7万3149人もいる。

 では、国家公務員全体の実際の平均支給額はいくらなのだろうか。

「それは公表していません」と、あくまで隠したがる総務省に代わり、計算してみた。

■本当は80万円超

 一般職の平均月給は、人事院によれば、42.8歳、40万7994円という(住居手当、残業代を除く)。これに公表された掛け率1.823をかけると平均額は74万3773円にハネ上がる。さらに、管理職は全員1〜2割、割り増しされるため、本当の公務員のボーナス平均額は80万円超となる。

 民間はどうかというと、昨冬の平均は54万1582円だった(厚生労働省調査)。ボーナスのない会社や雇用形態も増える中、これはもらえた人の平均である。従業員5000人以上の大企業でも平均71万5034円だ。公務員はやはり恵まれている。

 10日は政治家にもボーナスが支給された。

 安倍首相は371万円。これが最高かというとそうではない。首相よりも衆・参両議長の方が高くて390万円。首相は最高裁判所長官と同額。大臣は309万円、議員は233万円だった。

(ジャーナリスト・若林亜紀)

(日刊ゲンダイ2013年12月11日掲載)







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