2013.12.10 21:42

北海道の漁船沈没について「海の拉致」の疑い、刑事告発へ

 北朝鮮による拉致問題に取り組む民間団体「特定失踪者問題調査会」(東京)は10日、乗組員4人が行方不明となった1967年の北海道雄武町沖での漁船「圭運丸」沈没について、拉致の疑いがあるとして、被疑者不詳の国外移送目的略取容疑で、12日に札幌地検に刑事告発する方針を明らかにした。

 荒木和博代表は都内での記者会見で、10日からの北朝鮮人権侵害問題啓発週間に合わせて告発することで「今後の情報収集が進むのではないかと考えた」と述べた。

 調査会によると、4人は紙谷慶五郎さん=当時(55)=と息子3人で、紙谷さんの三女、北越優子さん(69)が告発人となる。圭運丸は67年11月、雄武町の港を出港し沈没。4人は不明のままで、調査会は告発状に、北朝鮮に連れて行かれたと記載する。

 調査会は今年6月、海上保安庁に対し「海難事故と思われてきたが、脱北者の証言で拉致の可能性が出てきた」として再調査を要請し、海保が全国で起きた過去の海難事故を洗い直している。(共同)