――それでも、バリエーションが欲しくなったりはしませんか? 私もカレーが大好きなんですけど、「毎食毎食カレーライス」が何日も続くのは、ちょっとガマンできないかもしれません。
「あ、そこは考えています。安売りの魚を冷凍しておいて焼いたり。電子レンジで大豆とひじきの煮物を作ったり。その煮物をご飯に混ぜて、ひじきごはん風にすることもありますね。安く売られているレンコンの水煮を洗って、きんぴらにしたり。でも私は、他に牛乳・ヨーグルト・納豆があれば、食生活にそれほど不満は感じないです」
――確かに、栄養的には特に問題のなさそうな食生活ですね。
「まだ、工夫できますよ。今は、冷凍庫をもっと活用しようと思ってるんです。安い豚ひき肉や豚小間を買ってきて、大・中・小に小分けしてフリージングしたり。あとは、買いだめですね。今でも、パスタが安い時に買いだめしたりします。300gで50円のときに」
――もしかすると、小麦粉より安いくらいですね。
月に1本は映画を必ず観る
「自分の中の文化を絶やさない」努力
――でも、「食費を削るのはなるべく後回しにしたい」という気持ちが、私にはあります。生きることの根源に近いのが食ですから。私は、困窮していったとき、着るものから先に節約しました。平田さんは、何を優先するために食費を節約しているんですか?
「自分の中の文化を、絶やさないためです。自分の興味が向かうこと、関心のあることに対する投資は、絶やしてはいけないと思うんです。限られたお金の中で、惜しまないようにしようと」
――平田さんの「文化」とは、具体的にはどのようなものですか?
「映画は、月に1本は必ず観ることにしています。それから9月、大好きなミュージシャンの20年ぶりのライブのために、5000円のチケットを買いました。ライブは、少し離れた大都市で行われるので、交通費もかかりました。9月は、やりくりがかなり大変でしたね(笑)」
――私は、そういうふうに、ご自分の大切にしたいもの、ご自分の守りたいもののために工夫して保護費をお使いになるのは、素晴らしいことだと思います。その人が生きる力を発揮するための基本ですから。でも……。
「わかります。『生活保護なのに』と言われる方も、たくさんいることは知っています。でも私は、8月から1ヵ月あたり400円が減らされたことで、逆に『自分の中の文化を絶やさない』と強く決意しました」