2013年12月9日18時38分
ワタミグループの居酒屋「和民」に勤めていた娘を過労自殺で失った遺族が9日、ワタミや当時代表取締役だった渡辺美樹氏らを相手どり、約1億5300万円の損害賠償を求める裁判を東京地裁に起こした。会社側が安全配慮義務を怠ったと主張している。
亡くなった森美菜さん(当時26)の父豪さん(65)と母祐子さん(59)が同日記者会見して明らかにした。美菜さんは2008年4月、ワタミ子会社ワタミフードサービスに入社。神奈川県横須賀市内の店舗に配属されたが、同年6月、社宅近くで自殺した。月141時間の残業があったとして12年2月に労働災害に認定されている。
訴状によると、美菜さんは所定労働時間が8時間だと説明されていた。実際は、平日で午後2時から翌日の午前3時30分過ぎまで働き、休日にはボランティアで研修に参加していた。
渡辺氏には、経営理念を暗記するテストを社員に強制するなど、ずさんな労務管理を進めた責任があるという。渡辺氏は今年7月の参議院選挙で当選、経営からは退いている。
ワタミの広報担当者は「遺族には改めてお悔やみを申し上げる。訴状内容を確認し、誠実に対応する」とコメントした。
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朝日新聞社会部
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