校長室だより
平成25年12月5日更新
私が毎日通勤途中に歩いている木綿崎山にはとっても紅葉のきれいな場所があって、地域の人の中には、そこを 「もみじ谷」と呼んでいる人がいるということを最近聞かせてもらい、なるほどと思いました。今年は、10月の中旬まで 気温30度前後の夏のような暑さが続き、なかなか秋を感じることが出来ませんでしたが、もう何日かは紅葉を楽しみながら通勤できそうです。しかし、師走を迎え、今年も残すところあと1月足らずとなると、一気に冬になったという感じがしています。
さて、今日は先月11月の学校の様子をいくつかお伝えしたいと思います。
最初は伊原木県知事の本校訪問のことであります。11月12日の午後に2時間近く金光学園の視察においでくださいました。金光学園は今年で創立119年を迎えましたが、この長い歴史の中で県知事が来校されたことは、今まで一度もなかったと思います。もちろん節年の創立記念式などには、ご案内をしているのですが、これまでは大抵は代理の方がおいでになられていましたので、県知事自らがお越しになったのは、きっと初めてのことだと思います。ご承知のように、伊原木知事は 1 年余り前に「産業振興」と「教育再生」を掲げ就任されました。そして、この間公立学校の教育再生には具体的な提言をされたり、方針を出されたりしてきましたが、私学教育にも是非目を向けていただきたいという、私たちの要望を聞いてくださり実現することになったと伺っています。当日は、高校では探究授業の課題研究発表を英語で行う取り組みや、この夏のスーパーサイエンスハイスクール全国発表会で、文部科学大臣賞に次ぐ、科学技術振興機構理事長に輝いた天文部・天文ゼミの発表を観ていただきました。高校の授業参観では、予定の時間をオーバーするほど熱心に生徒に専門的な質問をされたり、感想を述べていただいたりしました。
中学では、短い時間の中で多くのクラスの授業を参観していただき、中1全員を対象に、私が担当した「心の教育」の授業も熱心に参観していただきました。授業後、知事自ら是非生徒たちに話させて欲しいということで、予定していなかったのですが、ご自身の中 1 の頃の体験をもとに、生徒たちを激励していただき、元気の出るエールを送っていただいたことは大変嬉しく有り難いことでありました。 私にとってとても嬉しかったのは、知事の報道機関や私たちへの感想やコメントの中で、「岡山県下の学校が、金光学園のように生徒が生き生き輝いて学校生活を送れ、それが普通であるようにしたい。」と言われていたことであります。 ただ、私としては知事には、公立学校だけではなく、もっと私学教育にも目を向けてくださり、一層の助成をしていただきたいと、改めてお願いもさせていただきました。
続いて11月14日(木)には創立119年の記念式を、麗しく滞りなく挙行することができ、大変ありがたいことでした。
本校では創立記念式は毎年挙行し、同窓会や保護者会や金光教の各機関や団体の方々を来賓としてお迎えし、 学校としての誕生日としてお祝いしています。また創立記念式という機会に、改めて生徒・教職員が共に、学校の 歴史を振り返り、建学の精神に思いを寄せ、気持ちも新たにしていくことができればと願っています。
私が今年の創立記念式で大変感動したのは、生徒代表の高校3年生の井上 全悠 (まさちか) 君の所願表明でした。 両足に障害を 持っている中で、 卓球 で活躍している井上君 が、 東京オリンピック・パラリンピック招致のプレゼンテータ ー佐藤真海(まみ)さんの 言った 「大切なものは 、 自分が持っているものであって失ったものではない」という言葉を引用して、 井上君自身も パラリンピックに出場 したいという 夢 について 話しました。 そ の文章は今月末に 学園のHPにアップする「やつなみ237号」に掲載しますので、是非ご覧になってください。
記念式典終了後、本校卒業生で前京都大学副学長の大西有三先生の講演を聴かせていただきました。「世界へはばたく若者たちへ 大学の教育現場からのメッセージ」という演題で、学問の大切さ、人間関係の大切さ、グローバル化の重要性など、ご自身の経験を通して話をされました。生徒たちにとっても元気の出る、大切なお話をいただいたことに心から感謝しています。
11月27日には、来年迎える創立120年記念事業の一つで、「120(イチニーマル)記念館」の着工奉告祭(起工式)が佐藤乃武雄理事長祭主のもと仕えられました。この記念館は総工費2億5千万円の2教室分の4 階建ての建物( 1階は1.6倍の大講義室)で、来年7月には完成予定であり、すでに工事がスタートしています。明年迎える創立120年の年には、金光学園として、記念館の建設をはじめ、様々な記念事業や行事に取り組みたいと夢を膨らませているところであります。
今年も残すところあとわずかになりました。
どうぞ皆様もくれぐれもご自愛いただき、よいお年をお迎えくださいませ。