米NSA、イスラム過激派のポルノ閲覧を監視
第62回カンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)のフォトコールに登場したフランスのポルノ女優の足(2009年5月20日撮影、本文とは関係ありません)。(c)AFP/VALERY HACHE
【11月29日 AFP】米国家安全保障局(National Security Agency 、NSA)が、急進的なイスラム主義者の信用を傷つける目的で、インターネット上のポルノ利用状況を監視していたことが分かった。米ニュースサイト「ハフィントン・ポスト(Huffington Post)」が27日、米中央情報局(CIA)のエドワード・スノーデン(Edward Snowden)元職員が暴露した米機密文書を基に報じた。
機密文書によると、NSAは暴力的な過激主義者たちを扇動していた6人を監視し、扇動者が偽善の証拠を突きつけられた際にどのようなダメージを受けるのか調べた。
■裏表のある行動で権威失墜
機密文書は、「先に出された急進化に関するシギント(SIGINT、通信や信号を通じた情報収集活動)の評価報告書で、扇動者の公私の振る舞いに矛盾がある場合、その威信は特に失墜するとみられることが示された…これらの弱点の中には、露呈すると本当に聖戦の大義に一身をささげているのかという疑念を生じさせ、扇動者の威信の低下や消失につながるものもあるだろう」とするとともに、過激派の威信が傷つく可能性がある例として「オンラインで露骨な性描写を閲覧したり、未熟な少女との会話で露骨に口説くような言葉を使用したりすること」を挙げている。
NSAの監視対象になった6人は扇動的なスピーチをするイスラム急進派と見なされていたが、この機密文書の中ではテロ計画に関与しているとはされていないという。ハフィントン・ポストは、これらの人物の身元と居住地の詳細は明らかにしていないが、6人全員が米国外に居住しており、うち1人は米国籍か米国の永住権を持っていることを意味する「米国人(US person)」と記載されていたという。
■情報機関は報道を否定せず
ハフィントン・ポストによると、NSAはシギントによって6人のうち少なくとも2人について露骨に性的な情報を入手した。それらの情報の一部は米連邦捜査局(FBI)の監視を通して収集したという。
米情報機関はハフィントン・ポストの報道を否定しておらず、この機密文書の信ぴょう性に疑問を呈してもいない。国家情報長官室のショーン・ターナー(Shawn Turner)報道官は、「特定の個人について論じるのでなければ、テロ計画への関与が疑われる人物が国家に危害を加えたり、第三者を急進化させたりするのを阻止するために、米政府があらゆる合法的な手段を行使することは驚くにあたらない」と述べた。
こうした手法は、FBIやNSAなどの情報機関が、故マーティン・ルーサー・キング(Martin Luther King Jr.)牧師をはじめとする公民権運動指導者や反戦活動家、労働団体関係者らの名誉を傷つけるため数十年前に使っていた戦術をほうふつとさせる。
米国自由人権協会(American Civil Liberties Union、ACLU)のジャミール・ジェーファー(Jameel Jaffer)法務次長は、「この報道は、個人が最も公にしたくない情報への自由なアクセスを情報機関に与えるとどうなるかということを嫌な形で思い起こさせた。このようなことは独裁国の秘密警察のやり方だと思うのが普通だが、世界をリードする民主主義国が──そして世界最大級の情報機関が──このような戦術を使っていたとは、まさに背筋が凍る思いだ」と述べた。(c)AFP