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TPP:米国「交渉は最終段階、韓国は参加困難」

米通商代表部次席代表代行「韓国、設立メンバーとしての参加難しい」
「貿易戦争で主流に入れず…後で『入場料』取られる羽目に?」

 米国を中心とする12カ国が進めている「環太平洋経済連携協定(TPP)」交渉で、韓国が設立メンバーとして参加するのは難しいことが分かった。このため「韓国が世界最大規模の自由貿易協定(FTA)ともいえるTPPで主導権を握れないことになれば、貿易戦争時代で主流に入れなくなるのでは」と懸念する声も上がっている。

 12日(現地時間)、ワシントンにある米戦略国際問題研究所(CSIS)で「韓国のTPP参加」をテーマにセミナーが開かれ、米通商代表部(USTR)のウェンディ・カトラー次席代表代行が「現在の12カ国が進めているTPP交渉は事実上『エンドゲーム(end game=最終段階)。現在進行中の交渉に韓国を含む新たな国を参加させることは非常に難しい」と述べた。そして「米国が韓国との2国間交渉を速やかにまとめ上げても、交渉が終結する90日前に議会に告知するなど事前手続きを踏まなければならない。現在のタイムテーブルを見ると、新たな国が交渉に参加するのは非常に困難な状況だ」と説明した。

■米国は早急なTPP妥結を希望

 韓国政府が初めてTPPに対し関心を示したのは先月29日。2005年に交渉が始まってから8年目のことだ。それまで政府はTPP交渉の実益は大きくないと判断、韓米FTA、韓・EU(欧州連合)FTAに続く韓中FTA交渉を最優先課題としてきた。政府の見解が変わった決定打は、今年になって日本がTPP交渉に参加したことだった。 TPPがこのまま発足すれば、米国主導のTPPに日本が参加し、韓国が享受してきFTA先占効果への打撃は避けられないからだ。

 米国はTPP、中国は東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国+韓中日の「東アジア包括的経済連携協定(RCEP)」を武器に、グローバル市場での影響力拡大を図っている。特に米国にとっては自国主導のTPPへの韓国参加は歓迎すべきことのはずだが、なぜ設立メンバーに入れるのは難しいと言っているのだろうか。現在G2(米中)は自由貿易を通じてパワーゲームを繰り広げている。専門家らは、米国が何よりもTPPを早急に実現させることを重視しているためだと分析する。オバマ大統領は来年11月、上院・下院の中間選挙を控えている。選挙に先立ち「オバマによる経済振興政策」を成功させようとしているのだ。ソウル大学のアン・ドックン教授は「USTRは今年初めから韓国の参入をさほど歓迎していなかった。韓国に反対しているのではなく、ひとまず発足させた後に入ってきてほしいというのがUSTRの考えだ」と話す。

■一足遅れの参加なら「入場料」の覚悟を

 政府や一部専門家の間では「米国が原則的な見解を示したもの」という反応もある。対外経済政策研究院のキム・ヨングィ地域通商チーム長は「米国の見解は『TPPは来年上半期までに妥結する可能性が高いが、韓国が今入ってきたら複雑になる』という原論的表現と受け取れる。韓国としても、設立メンバーになるかどうかが重要なのではなく、時間をかけて国益をじっくりと考えるべきだ」と語った。

 だが、懸念も少なくない。設立メンバーになれば、日本のように協定の細かい状況を調整できるというメリットがある。しかし、一足遅れで協定に参加することになれば、先に参加している国から「入場料」を取られるのでは、という懸念だ。事実、カトラー次席代表代行は「特に韓国はTPP参加に先立ち、韓米FTA履行に関連する懸念事項を解決しなければならない。韓米FTA履行に関連して韓国側が解決すべき課題には、原産地表示問題・金融サービス分野の資料共有・自動車分野の非関税障壁・オーガニック製品の認証問題などがある」と述べた。産業研究院のキム・スドン研究委員は「日本がTPPに参加しているため、韓国も結局は参加せざるを得なくなるが、設立メンバーに入れなければ交渉による利益は目減りするだろう」と語った。

ワシントン= イム・ミンヒョク特派員
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