原発除染費用２．５兆円程度 政府見積もり

12月14日 12時14分

福島第一原子力発電所の事故で建造物や土壌などに付着した放射性物質を取り除く「除染」にかかる費用について、政府は現時点で２兆５０００億円程度と見積もり、国が保有する東京電力の株式の将来の売却益を充てていくことになりました。

政府は先月、与党がまとめた福島第一原発の事故からの復旧や復興の加速に向けた提言を受けて、除染や中間貯蔵施設にかかる費用について、国や東京電力の負担の在り方を検討してきました。
この中で、除染にかかる費用を試算した結果、今年度末までに見込んでいた１兆５０００億円から１兆円多い２兆５０００億円程度と見積もることになりました。
除染費用の負担については、国が出資する原子力損害賠償支援機構が保有している帳簿上の価格で１兆円になる東京電力の株式の将来の売却益を充てることにしています。ただ、株式の売却益が不足した場合には東京電力が費用を負担することにしています。
これによって東京電力にとっては原発事故に伴う費用の負担が軽減されますが、国が保有する株式の売却益を除染に投入することについては、国による東京電力の救済という批判も予想されます。