答えのないことをもう何年もかんがえている

December 10 [Tue], 2013, 9:10
いつだったかな。
ぼくに生まれてはじめての「ファンサイト」ができました。

赤ちゃんのころからお仕事してきて、応援してくれるひとはたくさんいたけど
ファンサイトみたいなものはなかったからすごくうれしくて。
開設のときにはフォロワーさんたちからも、たくさんお祝いメッセージももらって。

うれしかったから。
ファンサイトのひとたちに恩返ししなきゃ!と
ぼくはより多くそのひとたちと話すようにしました。
でもそれがいけなかったのかな。
ファンサイトのひとが業界人の姪と名乗りはじめて、
アンチから局に届いた手紙を叔父が止めているとか、キャスティング会議に意見できる立場だとか、
ぼくの仕事を左右できるようなことを言い出して。

いま思えばそんなわけないし、いろいろおかしかったんだったけど
ぼくもかなりまいってたこともあって、信じてしまった。
でもだんだん話が壮大になって
話につじつまがあわないことがふえはじめたころ
そのひとが、完全な「なりすまし」であることがわかったのです。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

ぼくはパニックになりました。

うすうす感づいていたとはいえ「なんでそんなことを?」っていう動機がまず、わからないし
そんなことをして何のメリットがあるのかもわからないし、
偉いひとだと思っていたので、住所とかも教えてしまったし
じぶんのファンだって言ってくれたひとを最後まで信じてあげたい気持ちもあったから
え?え?え?って。

ファンサイトまで作ってくれたひとたちが他人の名前を語り、ぼくをだましている。
あのひとたちは誰。
動機も目的もわからない。
怖い。怖い。怖い。
もう、ひとりでは抱えきれませんでした。

すごくすごく悩んで事務所と親と、そのご本人やスタッフに、すべてを話しました。
社長にもマネージャーさんにも怒られると思っていたけど、みんなに
なんでもっと早く言わなかったの、相談してくれなかったの。と、悲しそうにいわれました。

こんなに信頼できるリアルの人たちがいるのに、誰にも弱味をみせたくなくて
じぶんひとりで何とかしようとして、見知らぬネットの向こうに助けを求め
結局ぼくがしたことといえば、「なりすましに騙されて、個人情報を流出させた」だけ。
たくさんいろんな人にあやまりました。ほんとに恥ずかしくて、つらかった。
なさけなくて、なさけなくて、恥ずかしくて・・・

かれらは何がしたかったのでしょう。
今では、それをぼくに知る術はありません。

はじめは本当に、ネットで叩かれているぼくをみて「何かしてあげたい」という善意から集まったのかもしれない。
ぼくを安心させようとして偉いひとの名前を語っただけで、最初は、ほんの出来心だったのかもしれない。
でもそれを信じるひとたちが集まって話しているうちに、ある意味、宗教みたいに
「可哀想な子役を助ける、いい事をしているわたしたちは偉いんだ」みたいに、どんどん勘違いしていって
もう、あとには引けなくなって、うそを大きくしてしまったのかな。

暴走した正義は正義じゃなく暴力であり、驕り。
アンチの人がぼくのファンのひとを「信者」と呼ぶのがすごくいやでたまらなかったけど、
言われてもしかたなかったとおもう。
そして、その教祖にまつりあげられていたぼくは、本当にばかだったなとおもいます。


でね、で、これが笑っちゃうんだけど、ぼくは本物の教祖でもなかったんだよ
ぼくのファンサイトをつくるために集まったはずの人たちは、気がついたら、別のひとをたたえる集団に変わってた。
ぼくは「その人はにせものだよ」と言って、母にも「まだ信じてる人がいるから連絡をとって。なんとかして」と頼んだけれど、
もう、ぼくのいうことを聞いてもらえる状態じゃなかった。
ぼくは怖くなって逃げた。


広告塔を失くした集団は行き場をうしない
いま、「裏切って逃げた教祖」であるぼくに「失望」した、と、
ときどきtwitterで愚痴をつぶやき、いまだネットの海を彷徨っている。
まだ、あのひとはあのひとを名乗っているのだろうか。


何だか悲しくて、そっとミュートした。
もう昔のことだけど、今でも思い出すと、こころがチクチクします。

ーーーーーーーーーーーーー


いまもぼくはあのころと変わらず、ネットでたくさんのバッシングにあっている。
そしてやはり、そんなぼくを見ていられない、助けてあげたいと言ってくれるひとも、たくさんいる。
裁判するべきだと言ってくれるひとも何人かいる。

でも、ぼくは思い出す。
暴走した「正義」という宗教のこと。
やられたらやり返す。倍返しだ。
倍返しされたらやり返す。そのまた倍返しだ。
その争いの行き着く先は?

倍返ししたところで時間がきて話が完結するのは、ドラマだけだよね
仕返しはまた新たな恨みを呼び、復讐の刃を尖らせ、ひとを終わりのない破滅へと引きずり込むだけだよね。


実際、いまぼくを叩いているひとたちの大半のエネルギーは
ぼくが悪口に反応したことによる、逆恨みだとおもう。
最初は遊び半分でぼくの悪口を書き込んだひとが、注意されて悪意の種をうみ
その恨みを正義感あふれるひとが叩き、その恨みの種がまた・・・

どんなに冷静に返そうが、どんなにユーモアをまじえようが、
やっぱり、「ひとに注意する」ということは、正義の宗教と悪意の種をうみだす危険な行為であることを、忘れてはいけないんだなとおもいます。
正しいからといってそれだけを叫んでいても、相手の心には届かない。

だからその結末がいくら理不尽であっても、甘んじて受ける覚悟がいるんだよね。


ーーーーーーーーーーーーーー


逆恨みされないように、相手にわかってもらうにはどうしたらいいんだろう?
いやなことをいやと、違うことを違うというとき、どのようなことに気をつければよいだろう?
ぼくを助けてくれようとするひとを、まちがった「信者」に暴走させないためにはどうすればよいだろう?
どうすればもっとシンプルに。
やめてほしいことをやめて欲しいと伝えるにはどうすれば?
わけもなくひとを傷つけたがるひとに、どうすればやめてもらえる?
どうすれば、優しさをともせるのだろう


答えのないことを、あれから、もう何年もかんがえている。

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中学1年12歳 放送部 
日本ナレーション演技研究所ジュニア声優Bクラス

著書・太田出版「はるかぜちゃんのしっぽ(ω)」

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