福島第1原発:10時間超の違法労働…東芝などに是正勧告
毎日新聞 2013年12月12日 11時36分(最終更新 12月12日 11時58分)
東京電力福島第1原発事故の収束作業で、労働基準法で定める1日当たり上限10時間の労働時間を超えて働かせていたとして、富岡労働基準監督署(福島県)が、収束作業を請け負う東芝(本社・東京)や下請け計18社に対し、同法違反で是正勧告をしていたことが分かった。
勧告は11月27日付。東芝や子会社の東芝プラントシステム(本社・横浜)によると、7月から10月にかけて収束作業に従事していた社員らに、10時間を超える労働をさせていたという。作業員が身につけている線量計には、9時間半でアラームが鳴るよう設定されているため、作業員らはアラームが鳴る前にいったん線量計を返却、借り直させて業務を続けていた。
労基法は、被ばくを伴う作業について「健康上有害な業務に当たる」と規定。同原発は事故後、構内のほぼ全域がこの規定対象となり、1日の労働時間について、通常の8時間と残業2時間の計10時間までとなった。
東芝の広報・IR室は「打ち合わせ時間や待機時間を労働時間に含めていなかった。労基署との認識に違いがあった」と説明し、超過時間については「長くても数時間」としている。外部からの指摘を受け、10月中旬に改善したという。
一方、東電は「作業員の労務管理は雇用先に任せており、個別の問題は把握していない」(福島復興本社)としている。