<イチおし モ~すごい!知られざる 牛乳パワー>
専門家ゲスト:齋藤忠夫さん(東北大学教授)、小山浩子さん(料理研究家・管理栄養士)
ゲスト:城之内早苗さん(演歌歌手)、六角精児さん(俳優)
リポーター:中村慶子アナウンサー
<【ミニ企画】かーちゃんたちの“飯舘カボチャ”収穫>
リポーター:山田大樹アナウンサー
子どものころ学校の給食で毎日のように飲んでいた牛乳。「牛乳はカルシウムが豊富だから、飲むと背が伸びる」という具合に、「なんとな~く体にいい!」という印象はあるものの、「においがダメ!」「飲むとお腹がゴロゴロする」と敬遠してしまう人も多いですよね。
でも、大人になっても、牛乳は飲み続けた方がおトク!!・・・というのも、実は最近の研究で、カルシウムだけではない、牛乳の秘めたるパワーが明らかになってきているからです。「血圧を下げる」効果や、「失われた筋肉を修復する」効果、さらには「熱中症予防」や「美肌」効果まで。まさに牛乳は「天然の完全栄養食品」なんです。
そこで今回は、知られざる牛乳パワーを一挙ご紹介。さらに、“苦手な人でもおいしく飲める牛乳選別法”や“お腹ゴロゴロ解消法”、また、減塩効果&ビタミンD補完効果抜群の「乳和食」メニューもお届けします。これさえ見れば、すぐに牛乳を活用したくなること間違いなし!です。
知られざる牛乳パワー
「イ」・・・イけてる!健康効果
「チ」・・・ちがいがわかる!牛乳の選び方
「お」・・・オススメ!牛乳新レシピ
「し」・・・心配無用!おなかゴロゴロ克服法
【プロスポーツ選手が牛乳を飲む!】
訪ねたのは、サッカーJリーグ・名古屋グランパスの練習場。練習後、選手たちは牛乳を飲んでいました。「疲れにくくなった」など効果を実感しているとのこと。
【牛乳が筋肉を増やす! キーワードは「GT」】
実は「運動直後に牛乳を飲むと筋肉が増える」ことが分かったのです。牛乳には筋肉を増やす材料となるアミノ酸が豊富に含まれています。さらに、ポイントとなるのが、牛乳を飲むタイミング。運動後30分以内の時間帯が、とくに筋肉の合成が進む「ゴールデンタイム」と呼ばれていて、運動直後に牛乳を飲むことが大切です。
筋力の増加率(屈曲筋)
・牛乳なし・・・プラス6パーセント
・牛乳あり・・・プラス16パーセント
【ふつうの人にもイイ効果】
ウオーキングをしたあとに牛乳を飲んだ人たちの中には、筋肉の量が1.2倍ほど増加し、腰痛やひざ痛が改善したというケースもあります。牛乳を飲むことで、筋肉が増え、さらに体の基礎代謝も上がって、生活習慣病の予防にもつながると期待されています。
<取材協力>
信州大学 能勢 博 教授/NPO熟年体育大学
【牛乳をよく飲む人は血圧が低い!】
訪ねたのは、北海道東部・興部町にある牧場。牛乳の生産も手がけるこの牧場では、従業員が毎日牛乳を飲んでいます。血圧を測らせてもらうと、ほとんどの人が、全国平均値を下回っていました。
【牛乳のカルシウムが血圧を下げる】
実は、最近の研究で「牛乳を飲むと血圧が下がる」ことがわかりました。カルシウム不足になると、骨から溶け出したカルシウムが血管の筋肉に吸着、収縮することで高血圧になりますが、カルシウムを摂取すれば、それを防ぐことができるといいます。
血圧の推移(収縮時)
・牛乳なし・・・マイナス2mmHg(24週後)
・牛乳あり・・・マイナス8mmHg(24週後)
<取材した牧場>
「ノースプレインファーム」
住所:北海道紋別郡興部町北興116-2
電話:0158-88-2000
<取材協力>
女子栄養大学・上西一弘教授
牛乳の種類の違いと特徴を、牛乳工場で教えてもらいました。
よく飲む牛乳の「におい」が気になるという方にオススメなのが「低温殺菌」の牛乳です。
市販されている牛乳のほとんどは、120度以上の温度で2秒程度殺菌する「超高温殺菌」という方法が取られていますが、殺菌するときに、たんぱく質が熱で変性して「焦げ臭」が生じます。これが、あのにおいの元なのです。
一方、63~65度で30分程度行う「低温殺菌」は、たんぱく質の変性が少なく、においの少ない牛乳になります。
市販されている牛乳の大半は、牛乳の中の脂肪球をホモゲナイザーという装置を通して細かく砕き、均質化(ホモジナイズ)しています。こうすることでサラサラな牛乳になります。一方で、均質化の工程を経ない「ノンホモ」と呼ばれる牛乳もあります。ノンホモ牛乳は、置いておくと牛乳の上層にクリームが固まる性質があります。振って飲むと、コクのある牛乳になります。
牛乳は、含まれる脂肪分の違いによって「(成分無調整の)牛乳」、「低脂肪牛乳」、「無脂肪牛乳」に分けられます。無脂肪牛乳のカロリーは牛乳の半分。カルシウムの分量はほとんど変わりませんが、脂肪分に溶けているビタミンAなどの成分は少なくなるので注意してください。
【種類/脂肪分】
・牛乳(成分無調整)・・・3.0パーセント~
・低脂肪牛乳・・・0.5~1.5パーセント
・無脂肪牛乳・・・~0.5パーセント
<取材した牛乳工場>
「東毛酪農業協同組合」
住所:群馬県太田市新田市野井町741-1
電話:0276-57-0111
料理研究家で栄養管理士の小山浩子さんに、牛乳を使った和食メニュー「乳和食」の効果を教えていただきました。
【材料・2人分】
・さば・・・2切れ
・みそ・・・大さじ1
・酒・・・大さじ2
・砂糖・・・大さじ1
・赤とうがらし・・・1本(半分にして種を除く)
・牛乳・・・100ミリリットル
【つくり方】
【材料・4人分】
・卵・・・1個
・塩・・・小さじ2分の1
・しょうゆ・・・小さじ2分の1
・ゆずの皮・・・4分の1個
・みつば・・・8本(長さ3センチに切る)
・牛乳・・・350ミリリットル
【つくり方】
【材料・2人分】
・かぼちゃ・・・8分の1個(200グラム)
・鶏ももひき肉・・・60グラム
・塩・・・少量
・めんつゆ・・・大さじ1(3倍濃縮)
・牛乳:200ミリリットル
【つくり方】
【材料・4人分】
・白玉粉・・・100グラム
・牛乳・・・110ミリリットル
<たれ>
・しょうゆ・・・小さじ2
・砂糖・・・大さじ2
・水・・・50ミリリットル
・かたくり粉・・・小さじ1
【つくり方】
<料理教室についての問い合わせ>
「パナソニック エコソリューションズ創研」
電話:03-5332-5200
牛乳を飲んでお腹がゴロゴロする人は、多くの場合「乳糖不耐症」だといわれています。
乳糖不耐症は、牛乳に含まれる乳糖を分解する酵素(ラクターゼ)が少ない体質のことです。
乳糖不耐症の人は、牛乳を飲むと乳糖が大腸まで達して、悪玉菌に分解され、そのときに発生する酸や水素ガスによってお腹に不快感を抱くのです。
体質を変える克服法は、ヨーグルトなどで乳酸菌を摂取すること。
番組では、あさイチサポーター4人にご協力いただき、1週間、毎朝200グラムのヨーグルトを食べていただくことで、どのくらい改善するのか、試してもらいました。
すると、4人中2人が乳糖不耐症を克服、一時的に牛乳を飲んでもお腹がゴロゴロしなくなりました。1人は、水素ガスが半減しました。
<実験協力>
東北大学農学部 齋藤忠夫 教授
呼気生化学栄養代謝研究所 福山秀孝さん
・東京電力福島第一原発の事故により、全村避難となった福島県飯舘(いいたて)村。あさイチでは、事故の1か月後からこれまで、継続的に飯舘村の現状を伝えてきました。その中の一つが、飯舘村をはじめ避難区域となった町や村の女性が集まってできた「かーちゃんの力プロジェクト」です。
・ふるさとの料理を作ることにより、郷土の味を残し、避難している女性の働く場を作るということがこれまでの主な活動内容でしたが、今年の5月から自分たちで食材を作ろうと福島市内の休耕田を借り、飯舘村独自の品種である“いいたて雪っ娘(こ)”カボチャの栽培を始めました。
・今回はカボチャの収穫の現場をたずね、原発事故から2年半がたった中、「いいたて」の名前を付けたカボチャに託す皆さんの思いをうかがいました。
約30年の改良の末、2011年3月に品種登録をされた、飯舘村独自のカボチャの品種です。飯舘の雪景色を思わせる色白の皮と、ほくほくと甘い実が特徴です。