マンデラ元大統領追悼式で「でたらめ」手話

１０日、マンデラ元南アフリカ大統領追悼式で、オバマ米大統領（左）の横で手話通訳する男性（ＡＰ＝共同）

　全世界に生中継された１０日のマンデラ元南アフリカ大統領の公式追悼式で、手話通訳として壇上に立った男性（３４）の手話が「でたらめだった」と聴覚障害者団体などから批判が続出している。男性は１２日までに、自分は統合失調症の持病があり、式典の最中に幻覚や幻聴の症状が出たためだと釈明した。地元メディアなどが報じた。

　男性は、オバマ米大統領らが弔辞を述べた際に隣に立って手話通訳を担当した。専門家らは「手を動かしているだけで、意味を成していなかった」と批判している。

　報道によると、男性は統合失調症の薬を服用中で、式典の途中で突然、頭の中に声が聞こえ、幻覚も見て集中力を失い「どうすることもできなかった。大変申し訳ない」と語った。要人の演説が続く中、壇上から離れることができなかったという。

　「偽物」との指摘に、男性は「自分は一流の手話通訳だ」と述べた。

　アーネスト米大統領副報道官は１１日の記者会見で、偉大な指導者であるマンデラ氏をたたえる式典が乱されたことは「残念だ」と不快感を示した。

　南ア政府は問題の調査を開始。ＡＰ通信によると、ヨハネスブルクの聴覚障害者学校の校長は、他国の障害者らから苦情が寄せられていると語った。男性は昨年、南アのズマ大統領が出席したイベントでも手話通訳をした。（共同）

（2013年12月12日23時18分  スポーツ報知）

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